【大人の派閥力学】日産・関氏退任で人事迷走、社外取締役で構成の「指名委員会」

2019年12月28日 17:51

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 日産自動車のトロイカ体制の一角が、早くも崩れた。2019年12月1日付け役員人事でCOO(副最高執行責任者)に任命された関潤氏が退任するという。2020年2月に、日本電産の次期社長候補として転籍予定と報じられている。

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 最近の株式上場会社では透明性を重んじるため、役員人事は社外取締役で構成する「指名委員会」が決定する企業が増えた。日産もこの例にもれず指名委員会が関氏をCOOに指名したのだが、この人事はルノー・日産・日本政府が絡んだ、複雑な権力闘争を感じさせる「妥協案」と見られるものだった。

 西川廣人社長兼CEOが2019年9月に退任後、関氏が後任CEOの有力候補と見られていた。しかし指名委員会は、中国事業総裁のポストでは、関氏の後輩にあたる旧日商岩井出身で5歳若手の内田氏を指名した。つまり、逆転人事だ。これは生え抜きの関氏をルノーが嫌ったのかもしれないが、立場が逆転して関氏を内田氏の部下にあたるCOO(副最高執行責任者)に当ててしまった。

 トップ人事では、同期や先輩を追い越して社長に就任した場合、そのライバル関係になる人材は社外に排除するのが定石だった。しかしあえて関氏を残したのは、彼が生え抜きで社内事情やビジネスモデルの実践に強い人材と見たからであろう。透明性のある人事ではあるが、指名委員会の思惑は少々素人であったのかもしれない。

 通常、大手企業の人事では株主や銀行の意向を取り付けた人物が選任されるが、その場合は、資金を背景とした権力闘争の結果となる。そのため闘争に敗れた派閥は排除されて、当面は安定的となるのが普通だが、仕事の能力を考え「適材適所」とすると、派閥の権力バランスがこわれて今回の日産のようなことが起きる。

 上場企業はその経営が透明性を持つことが望まれるが、実際の人事では権力闘争が激しく、派閥間での協調が難しい。第三者を含めた指名委員会で人選する場合の矛盾点と言って良いのであろう。

 また日産の場合、「ルノーと日産生え抜き」との権力闘争が背景にありそうだ。そこに経産省の思惑も加わって、現在は複雑な権力闘争中と言えるのであろう。この動きの中からは「ルノーの巻き返し」が優位ではないのかと想像してしまうが、はたして・・(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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