29日の中国本土市場概況:上海総合0.6%安で3日続落、医薬セクターに売り

2019年11月29日 17:01

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記事提供元:フィスコ


*17:01JST 29日の中国本土市場概況:上海総合0.6%安で3日続落、医薬セクターに売り
29日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比17.71ポイント(0.61%)安の2871.98ポイントと3日続落した。約3カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。上海A株指数も下落し、18.37ポイント(0.61%)安の3009.43ポイントで取引を終えた。

米中通商協議の不透明感が意識される流れ。米国で「香港人権・民主主義法」が成立し、中国側が猛反発するなか、協議進展に影響を及ぼすとの見方が広がった。「中国は対米報復措置を当面実施しない」との見通しはあるが、投資家の不安は払しょくされていない。また、中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収もマイナス。人民銀行は29日、リバースレポ取引を8営業日連続で見送った。今週は期日到来分の3000億人民元(約4兆6730億円)を市中から吸収した。

業種別では、医薬品の下げが目立つ。通化東宝薬業(600867/SH)がストップ安した。国家医療保障局と人力資源社会保障部は28日、「2019年版 国家基本医療保険・工傷保険・生育保険リスト乙類」の価格交渉結果と完成版を発表。医薬品リストには70の新薬が採用され、メーカー側との価格交渉では平均61%の値引きが決定された。当局の薬価引き下げ圧力が業績を圧泊すると改めて懸念されている。

食品飲料株も安い。白酒(中国の蒸留酒)メーカー最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が4.0%下落した。銀行・保険株、資源・素材株、空運株なども売られている。

半面、ハイテク株はしっかり。LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)が2.7%高、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が1.7%高で引けた。不動産株と自動車株の一角も買われている。

一方、外貨建てB株は値下がり。上海B株指数が8.13ポイント(3.30%)安の237.83ポイント、深センB株指数が6.53ポイント(0.73%)安の887.47ポイントで終了した。上海B株では、時価総額上位の石炭メーカー、内蒙古伊泰煤炭(900948/SH)が7.2%安と急落し、全体相場を押し下げている。

【亜州IR】《FA》

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