ヨコレイは上値試す、20年9月期2桁営業増益予想

2019年11月28日 09:03

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は冷蔵倉庫事業と食品販売事業を展開している。冷蔵倉庫事業は低温物流サービスの戦略的ネットワーク構築、食品販売事業はノルウェーHI社と提携して業容拡大戦略を推進している。19年9月期は計画未達で営業減益だったが、20年9月期は2桁営業増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は年初来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■冷蔵倉庫事業と食品販売事業を展開

 冷蔵倉庫事業と食品販売事業を展開している。19年9月期セグメント別売上高構成比は冷蔵倉庫事業20%、食品販売事業80%、その他0%、営業利益(連結調整前)構成比は冷蔵倉庫事業85%、食品販売事業14%、その他1%である。

 収益面では、冷蔵倉庫事業は倉庫稼働率、食品販売事業は水産品・畜産品・農産品の市況や季節要因の影響を受ける特性がある。中期成長戦略として収益性の一段の強化を推進している。

 冷蔵倉庫事業は積極投資で低温物流サービスの戦略的ネットワークを構築し、新物流センターが順次稼働して収益拡大に貢献している。20年2月つくば物流センター(仮称)竣工予定で、完成後は国内外合計収容能力が100万トンを突破する。また福岡市アイランドシティ港湾関連用地4工区E区画を取得している。海外はASEAN地域へ積極展開し、子会社タイヨコレイの保管収容能力はタイ国内トップシェアである。

食品販売事業は、子会社アライアンスシーフーズ(ASF社)が15年8月ノルウェーの大手水産加工会社HI社と提携し、ノルウェーサーモン・トラウトの養殖・加工・販売拡大戦略を推進している。16年3月水産加工のSE社を子会社化、16年8月トラウト養殖事業のFA社(17年7月HA社に社名変更)を子会社化、16年8月サーモンを活用したサプリメント製造販売のHBC社の筆頭株主となった。17年7月マレーシアの海老養殖事業AGROBEST社と業務提携して海老養殖事業に参入した。20年1月食品販売事業の完全子会社アライアンスシーフーズとクローバートレーディングを吸収合併予定である。

■20年9月期2桁営業増益予想

 19年9月期連結業績は、売上高が18年9月期比18.5%減の1399億70百万円、営業利益が1.1%減の47億74百万円、経常利益が8.0%減の49億45百万円、純利益が1.3%減の33億85百万円だった。配当は18年9月期と同額の23円(第2四半期末11円50銭、期末11円50銭)とした。

 売上高、利益とも計画を下回り、営業減益で着地した。冷蔵倉庫事業は順調だったが、食品販売事業が国内荷動きの停滞、国内主要港における水揚げ不調、水産品の売却損などで低調だった。冷蔵倉庫事業は7.4%増収で4.6%増益、食品販売事業は23.2%減収で14.8%減益だった。

 20年9月期の連結業績予想は、売上高が19年9月期比2.2%増の1430億円、営業利益が13.1%増の54億円、経常利益が21.3%増の60億円、純利益が15.2%増の39億円としている。配当は19年9月期と同額の23円(第2四半期末11円50銭、期末11円50銭)としている。

 冷蔵倉庫事業が順調に推移し、食品販売事業の収益性改善も寄与して2桁営業増益予想である。収益拡大を期待したい。

■株主優待は毎年9月末の株主対象

 株主優待制度は毎年9月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じて水産品などを贈呈している。

■株価は上値試す

 株価はやや小動きだが、年初来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。11月27日の終値は1078円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS66円54銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想23円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1336円12銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約639億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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