22日の香港市場概況:ハンセン0.5%高で3日ぶり反発、万洲国際1.9%上昇

2019年11月22日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 22日の香港市場概況:ハンセン0.5%高で3日ぶり反発、万洲国際1.9%上昇
22日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比128.20ポイント(0.48%)高の26595.08ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も55.95ポイント(0.54%)高の10506.17ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は672億1200万香港ドルにやや縮小している(21日は754億3200万香港ドル)。

米中通商交渉を巡る過度な警戒感が後退する流れ。香港英字紙は21日、「12月に予定されている対中関税の発動は先送りされる見通し」などと伝えた。また、複数のメディアは22日までに、「中国の劉鶴副首相は、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン米財務長官を北京に招待している」と報じた。ただ、米中対立の警戒感は根強く、全体として上値は重い。香港の高度な自治を守る「香港人権・民主主義法案」に関しては、トランプ米大統領が署名し、法案が成立するとの観測が広がっている。中国外交部は20日、法案が成立すれば報復措置を導入する方針を示唆した。

ハンセン指数の構成銘柄では、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が1.9%高、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が1.7%高、石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が1.5%高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が1.4%高と上げが目立った。

業種別では、セメントや鉄鋼など素材関連がしっかり。中国建材(3323/HK)が2.1%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が1.7%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が1.0%高で引けた。セメント株は、製品価格が足元で急騰していることが手がかり。鉄鋼株は、製品消費の高い伸びが引き続き好感された。

他の個別株動向では、飲食店レビューとデリバリー事業の美団点評(3690/HK)が6.7%高と急伸。7~9月期決算の黒字転換が好感された。

半面、医薬品セクターの一角はさえない。四環医薬HD集団(460/HK)が3.0%安、上海復星医薬集団(2196/HK)が1.5%安、康哲薬業HD(867/HK)が1.3%安と値を下げた。「集中調達」制度の導入などを通じ、中国政府が医薬品購入価格の引き下げを進めていることが引き続き売り材料視されている。

このほか、化粧品販売店チェーンの莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が3.3%安と売りが続く。香港の反政府デモが響き、莎莎は中間決算の純損益が赤字に転落した。業績悪化を受けて、店舗網の整理に着手するという。今後1年間で香港の店舗30店を閉鎖し、家賃コストの削減を図る方針だ。

一方、本土市場は3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.63%安の2885.29ポイントで取引を終えた。医薬品株が安い。消費関連株、不動産株、自動車株、保険株、運輸株なども売られた。半面、セメントや鉄鋼の素材株は高い。産金株、エネルギー株、ハイテク株の一角も買われた。

【亜州IR】《FA》

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