15日の香港市場概況:ハンセン横ばい終了、週末デモ警戒し上げ幅削る

2019年11月15日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 15日の香港市場概況:ハンセン横ばい終了、週末デモ警戒し上げ幅削る
15日の香港市場は横ばい。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比2.97ポイント(0.01%)高の26326.66ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が2.58ポイント(0.02%)安の10424.80ポイントで引けた。売買代金は620億1600万香港ドルと、約5週間ぶりの低水準にとどまっている(14日は744億5400万香港ドル)。

自律反発狙いの買いが先行したものの、その後は上げ幅を次第に縮小させた。米中貿易協議を巡り、「第1段階の合意取りまとめが近い」とのクドロー米国家経済会議(NEC)委員長の発言が伝わったことは支援材料だが、協議の行方には依然として不透明感がくすぶる状況。週末の香港デモ激化にも警戒感が広がる中、引けにかけてはリスク回避のスタンスがやや強まった。ハンセン指数は大引け間際に、一時マイナス圏に沈む場面も見られた。

ハンセン指数の構成銘柄では、足元で下げの目立っていたAIAグループ(1299/HK)が0.8%反発し、全体相場を下支えた。米国関連では、瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が1.8%上昇している。中国工商銀行(1398/HK)が0.7%上げるなど、本土系金融株も堅調。中国人民銀行(中央銀行)による市場への資金供給がサプライズとなった。

業種別では、医薬品の一角が動意付いた。華領医薬(フア・メディスン:2552/HK)が25.2%高と急騰したほか、歌礼製薬(アスクレティス・ファーマ:1672/HK)が14.2%高、百済神州(ベイジーン:6160/HK)が6.6%高で引けている。うち百済神州はこの日、自社開発のがん治療新薬がFDA(米国食品医薬品局)に認められたと発表。現地メディアによると、中国企業の開発したがん治療新薬が米当局の認可を得るのはこれが初めてという。

このほか、香港マーケットでは本日、Eコマース中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が一般投資家向けの公募を開始した。同社の関連銘柄では、阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が1.6%安、阿里巴巴影業集団(アリババ・ピクチャーズ・グループ:1060/HK)が0.8%安、衆安在線財産保険(6060/HK)が1.9%高と高安まちまちだった。

一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.64%安の2891.34ポイントで取引を終えた。畜産、製紙、石油などのセクターが軟調。半面、金融や電子の一角は買われた。

【亜州IR】《FA》

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