海洋ごみをファッションに 三陽商会がサステブランド「エコアルフ」日本展開

2019年10月31日 07:28

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三陽商会=慎取締役(左)とゴジェネーチェ氏。「エコアルフ」のアイテムと千葉の海から回収したごみを前に握手

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 世界的な課題となっている海洋ごみ問題で、回収したプラスチックやナイロンを衣料に再生するプロジェクトが日本に上陸する。アパレル大手の三陽商会は29日、スペインのエコアルフ・リサイクルド・ファブリック社と合弁会社エコアルフ・ジャパンを設立、2020年春からサステイナブル(持続可能な)ファッションブランド「エコアルフ」を販売すると発表した。エコアルフ社がスペインやタイで展開する海洋ごみの回収事業「アップサイクリング・ザ・オーシャンズ」プロジェクトもスタートさせる。

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 エコアルフ社は「Stop using natural resources in a careless fashion」(地球環境を無視した自然資源の活用をしない)をミッションに掲げ、2009年に創業。マドリード市に本社を置き、廃棄ゴミから作るリサイクルファブリックの研究開発から商品生産、販売までの全工程を手がける。サステナビリティ(持続可能性)関連認証の「Bコープ」をはじめ、国際的なアワードも多数受賞している。

 「エコアルフ」は、リサイクル素材や環境負荷の低い素材や副資材だけで作られた衣料・雑貨ブランド。廃棄されたナイロンやコーヒー、ペットボトル、コットン、ウール、タイヤなどを原料に糸、生地を作り、紳士・婦人・キッズ衣料、シューズ、バッグ、ヨガウエアなどにアップサイクルする。

 15年にはエコアルフ財団を設立し、海洋プラスチックごみを回収・分別・再生し、製品化するプロジェクト「アップサイクリング・ザ・オーシャンズ」を展開。回収にはスペインの3千人以上の漁師と協力、年間500トン以上のごみを回収する。タイでも同プロジェクトをスタートしている。

 一方、三陽商会は重点戦略に「サステナビリティを意識した経営」を掲げており、合弁会社設立を中核的な取り組みのひとつに位置付ける。

 「魚の3分の1はマイクロプラスチックを飲み込んでいる。海には65万トンの漁網が放棄されている。何の対策も講じなければ、2050年には海のプラスチックの量が魚を超えるとされる」。 同日、都内で開催された発表会で、エコアルフ社プレジデントのハビエル・ゴジェネーチェ氏は海洋汚染の現状に対し、警鐘を鳴らした。

 続いてエコアルフ・ジャパン社長で三陽商会の慎正宗執行役員は「新しい自然資源を使わずに服が作れる。作ることで地球からごみが減り、服が売れることで地球がきれいになる」と、好循環を作り出す事業の構想を説明した。

 来春に渋谷に旗艦店を開設し、20年度中(21年2月期)に20店舗、25年度に60億円の売り上げを目指す。スタート時はグローバル商品を取り扱い、以降は自社企画商品も予定する。価格帯はアウターで2万~3万円台後半、スエットで1万円台前半。

 アップサイクリング・ザ・オーシャンズの日本版では、既に千葉県の漁業組合が協力する意向を見せており、今後拡大していく予定。また、分別・回収・繊維生成の協力企業も探しており、21年中には日本で回収したごみを商品化したい意向だ。

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