気象情報から労働災害の危険性を予知 安藤ハザマなどがシステム開発

2019年10月9日 09:11

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気象に基づく危険予知システムのイメージ(画像:安藤ハザマの発表資料より)

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 中堅ゼネコンの安藤ハザマ(東京都港区)と、気象情報提供サービスのライフビジネスウェザー(東京都中央区)は8日、気象情報をもとに建設現場で発生しやすい労働災害を推測し、作業員らに注意喚起を行うシステムを開発したと発表した。労働災害データと気象データを分析したところ、災害の危険性と気象条件に相関関係があることがわかったという。

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 ライフサービスウェザーは、気候や日々の天気など気象条件が人の健康や生活にどのような影響を及ぼすかを研究する生気象学を取り入れ、商品開発や販売戦略に関わる情報などを企業に提供している。

 建設現場では、気温や湿度の高い日には作業員の熱中症を防ぐためにさまざまな対策をとっているが、今回、両社は他の労働災害も気象と何らかの関係があるのではないかと考え、研究に取り組んできた。すると、気温差が大きくなると墜落・転落事故が起こりやすくなるなど、一定の関連性があることがわかったという。

 両社が開発した「気象危険予定システム(KKY)」には、過去の労災事故の形態や発生場所、発生時間など労働災害のデータと、事故発生1週間前からの気象データを蓄積。両方のデータを組み合わせて、どのような気象条件であれば労働災害が起こりやすいのかを特定するデータベースを構築した。こうしたデータベースを実際の気象情報を照らし合わせることで、労働災害が発生する危険性を推測する。

 現場には、システムの分析をもとに起こりやすい災害の種類や過去の災害事例、天候が体調などに及ぼす影響などが、メールやデジタルサイネージ(電子看板)などを通じて伝えられる。これによって、現場の責任者はこれまで以上に広い視点から安全に配慮した作業指示を出すことができ、作業員も具体的な労働災害を意識して行動できるという。

 安藤ハザマでは、すでに同システムを複数の現場に導入し、作業前の危険予知活動に活用している。同社では「これまでの安全対策では、自分の経験に頼る傾向があったが、データ分析に基づいた客観的な情報を得ることで、これまで気がつかなかった事故の危険性にも対応できるようになった」としている。

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