地球へ衝突リスクある天体予測に役立つか? 天体が彗星へと進化する仕組み解明 米大学

2019年9月26日 08:35

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地球から約30万キロメートル離れた場所を通過するシュワスマン・ワハマン第1彗星の想像図 (c) University of Arizona/Heather Roper

地球から約30万キロメートル離れた場所を通過するシュワスマン・ワハマン第1彗星の想像図 (c) University of Arizona/Heather Roper[写真拡大]

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 地球へ衝突するリスクが懸念されている小惑星群「ケンタウルス族」。木星から海王星にかけて存在する天体群が彗星へと変わる「入口」の存在が確認されたという研究が、米セントラルフロリダ大学の研究者らによって発表された。

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■不規則な運動を続けるケンタウルス族

 ケンタウルス族は、海王星よりも外側に存在するエッジワース・カイパーベルトから生まれたと考えられる天体だ。太陽系誕生から手つかずで存在したとされる氷の天体は、ほぼ木星の公転周期以内を公転する短周期彗星(木星族彗星)の起源だと予想される。

 氷でできた物体が太陽へと近づくとガスや塵が放出されるため、毛羽だった部分と伸びた尾をもつように映るのが彗星だ。このうち研究者の関心を惹いたのが、「シュワスマン・ワハマン第1彗星(SW1)」と呼ばれる1927年に発見された周期彗星だ。

 ケンタウルス族に近い軌道を走るこの彗星は、氷が蒸発するはずのない太陽から離れた場所で爆発による増光を起こす。そのため、研究グループはほかのケンタウルス族の天体と、シュワスマン・ワハマン第1彗星とが整合的かを確かめようとしたという。

■短周期彗星へと変貌する天体発見に役立つか

 研究グループは、不規則な動きを示すケンタウルス族の軌道上を走る小さな氷についてシミュレーションを実施した。その結果、太陽に近づき木星族彗星へと変貌する「入口」が発見された。

 ケンタウルス族の天体のうち5個以上が、シュワスマン・ワハマン第1彗星と似た軌道を描くようになることが発見されたという。これは、シュワスマン・ワハマン第1彗星が特殊な彗星ではないことを示す。

 木星族彗星の約3分の2以上が、研究グループが発見した入口を通過するケンタウルス族に起源をもつことも判明した。太陽系の天体は数百万年から数十億年と長い寿命をもつのに対し、ケンタウルス族の天体が木星族彗星に変貌するのには数千年と短い。

 ケンタウルス族の軌道は不規則であるため、運動の予測が困難だ。とりわけ、地球への衝突が懸念される。研究グループでは、今回発見した入口が、近い将来木星族彗星へと変貌するケンタウルス族の特定手段として重宝されるだろうと、期待を寄せている。

 研究の詳細は、米天文物理学誌Astrophysical Journal Lettersにて20日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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