室温で高電導性を得る物質、記憶装置への応用可能か 横浜市立大などの研究

2019年9月19日 08:12

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研究に関する図。(画像:横浜市立大学発表資料より)

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 室温において磁場により電気の流れやすさが100倍以上も変化する物質が発見された。1990年代には似たような性質の物質の発見がハードディスクの劇的な改良に繋がった歴史があり、今回も技術的応用が期待される。横浜市立大学などの研究である。

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 研究に参加しているのは、横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科物質システム科学専攻の山田重樹准教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻の有馬孝尚教授、阿部伸行助教、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の佐賀山基准教授らの研究グループ。

 磁場の中に置いた物体の電気の流れやすさが変わる現象を「磁気抵抗」という。20世紀から長年にわたって研究されてきたのだが、特に1990年代、アルベール・フェール博士とペーター・グリュンベルグ博士はこの分野での発見により、ハードディスクの記憶容量の劇的な向上を導き、2007年にノーベル物理学賞を受賞している。

 その後、東京大学の十倉好紀教授はさらに劇的に電気の流れやすさが磁気抵抗によって激増する物質を発見した。これを「巨大磁気抵抗効果」という。ただ、十倉教授が発見した物質は、マイナス数十度以下でないとその性質を示さない、超電導材料が必要になるような高磁場が必要になるなど、実用化は現実的でなかったため、あまりその後は研究されてこなかった。

 今回の研究で発見されたのは、マンガンと酸素から構成されるマンガン酸化物の一種で、組成式はNdBaMn2O6。存在そのものは2002年に発見されていたものだが、良質な結晶体の作製ができるようになり、今回、巨大磁気抵抗効果を持つことが発見されたものである。

 この物質は27度の環境において2テスラほどの磁場で電気の流れやすさが100倍以上変化する。入手しやすい永久磁石で1テスラほどの磁力を持つものは実用化されているため、元素の比率を変えたり、形状を工夫するなどして必要な磁力をもう少し下げれば、さまざまな応用が可能になることが期待できるという。

 研究の詳細は、Physical Review Lettersに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード東京大学高エネルギー加速器研究機構

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