スケーリーフットはどうやって鉄の鱗を纏うのか JAMSTECなどの研究

2019年9月11日 12:36

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スケーリーフットの写真。左がKaireiフィールドで採取された硫化鉄を身にまとう個体。右がSolitaireフィールドで採取された硫化鉄をまとわない個体。(画像:海洋研究開発機構発表資料より)

スケーリーフットの写真。左がKaireiフィールドで採取された硫化鉄を身にまとう個体。右がSolitaireフィールドで採取された硫化鉄をまとわない個体。(画像:海洋研究開発機構発表資料より)[写真拡大]

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 スケーリーフットは深海熱水活動域固有種の、硫化鉄の鱗を持つ巻貝である。その鉄の鱗がどうやって生成されるのかについて、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、東京大学、大気海洋研究所の共同研究グループが明らかにした。

【こちらも】インド洋深海の巻貝「スケーリーフット」、絶滅危惧種に認定される

 研究に参加しているのは、JAMSTEC海洋機能利用部門生命理工学センターの岡田賢研究員、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻の鈴木庸平准教授、大気海洋研究所の佐野有司教授ら。

 そもそもスケーリーフットには、鉄の鱗を纏うものと纏わないものがいる。2001年に初めて発見されたスケーリーフットは色が黒く、鉄の鱗を纏っている。その後2009年に新たに発見されたものは、鉄の鱗を纏っておらず、色が白い。黒いものも白いものも、遺伝的には同一の種であることが既に確認されている。

 このスケーリーフットの黒い鱗は、内部に硫化鉄ナノ粒子を含んでいる。ただ、それが生物学的な機序により生成されるものなのか、それともそれ以外の方法によって身体に取り込まれるものなのかについては、これまで明らかになっていなかった。

 結論を言えば、この硫化鉄は、スケーリーフット自身が放出した硫黄と、海水中から取り込んだ鉄とを反応させて生成したものである、ということを今回の研究は明らかにした。

 動物が貝殻や骨などを生成する過程においては、すべての材料は同じメカニズムによって供給されるのが通常のプロセスである。スケーリーフットの鉱化作用は、深海生物が極限環境に適応するために獲得した特殊な生態なのであろうが、生物による鉱物形成の新しく発見されたメカニズムであると言える。

 研究の詳細は、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of Americaに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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