カメラ映像を音声化するAI視覚支援デバイス、超福祉展に出展 オーカムテクノロジーズ

2019年9月8日 19:51

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「OrCam MyEye2(オーカムマイアイ2)」の装着イメージ。(画像:オーカムテクノロジーズの発表資料より)

「OrCam MyEye2(オーカムマイアイ2)」の装着イメージ。(画像:オーカムテクノロジーズの発表資料より)[写真拡大]

 カメラ映像を音声化するウェアラブルデバイス「OrCam MyEye2(オーカムマイアイ2)」の開発を手掛けたオーカムテクノロジーズは6日、渋谷ヒカリエなどで9日まで開催されている『2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展(超福祉展)』で、オーカムマイアイ2の体験展示を行うと発表した。

 AI(人工知能)などの先端技術を取り入れ、障害を持つ人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高めようという動きが注目されている。2018年5月には、マイクロソフトが障害者向けAI開発プログラム「AI for Accessibility」を発表、5年間で2,500万ドルを投じて関連技術の開発者を支援することを明らかにしている。

 日本でも2019年6月に読書バリアフリー法が制定され、国や自治体の責務として音声読み上げに対応した電子書籍などの普及を推進することとなった。

 オーカムマイアイ2は、AIを活用して視覚障害者の日常をサポートするデバイスだ。小型カメラがついており、新聞、雑誌、本などの文字を読み取り、音声化する。また人の顔を事前に撮影し登録しておくと、視界に入ったときに認識し、その人物の名前を音声で知らせる。

 外出時には駅や看板などの情報を確認することもできる。Bluetooth対応の補聴器やイヤホンに接続できるため、周囲の人に音声を聞かれることもない。100円ライター程度の大きさで、眼鏡に装着して使用する。重量は22.5gと軽量だ。本体価格は60万円、文字の読み上げ専用モデルは45万円(ともに税別)。

 今回、同デバイスを体験できるイベント「超福祉展」は、「あらゆる“ちがい”がまざりあった2020年の渋谷を目指す」をコンセプトに、2014年から開催されている。福祉の枠を超えたアイデアやテクノロジーを展示し、体験もできる。

 オーカムマイアイ2を開発したオーカムテクノロジーズは、2019年にイスラエルのエルサレムで設立された。共同設立者の一人であるヘブライ大学のアモン・シャシュア教授は、コンピュータビジョンと機械学習の専門家だ。視覚に問題や障害を抱えた人のQOLを向上させる先進技術を取り入れた、人工視力の開発と応用に取り組んでいる。(記事:Kei_T・記事一覧を見る

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