進化研究でも稀な発見、同じ湖で進化した3種のメダカ 九大などの研究

2019年8月30日 17:04

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ポソ湖(右上)と3種のメダカ。(画像:九州大学発表資料より)

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 進化は普通、生物集団が地理的に隔離された場合に起こる。これを専門的には異所的種分化と言い、そうでない進化を同所的種分化と言う。同所的種分化は非常に特殊な条件が揃わないと発生しないと考えられており、実例はほとんど知られていなかったが、今回、インドネシアの古代湖であるポソ湖で、メダカ3種の同所的種分化の証拠が見つかった。

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 研究に参加しているのは、九州大学の楠見淳子准教授、琉球大学の山平寿智教授、松波雅俊助教、木村亮介准教授、龍谷大学の永野惇准教授、および国立遺伝学研究所の豊田敦特任教授らである。

 メダカは東アジアから東南アジアにかけて分布する淡水魚である。種々の理由により、特に日本では生物学研究のモデル生物として扱われている。

 インドネシアにスラウェシ島という島がある。プレートテクトニクスの関係で、500万年前から100万年前にかけて生まれた古い湖(古代湖)が多い。また、メダカの多様性のホットスポットであり、島全体で20種ものメダカ固有種が存在する。その多くは、前述の古代湖に暮らしている。

 ポソ湖はそのスラウェシ島の古代湖の一つであり、ニグリマスメダカ、オルソグナサスメダカ、ネブローサスメダカという3種のメダカが存在する。この3種はポソ湖の中で進化して生まれたのではないかという指摘が、琉球大学熱帯生物圏研究センターの山平寿智教授らによって先になされていた。

 研究の結果として、この3種は別の場所で生まれてこの湖に集まったわけでも、同じ湖の中で地理的な隔絶があって進化したわけでもなく、全く同じ場所にありながら3種に分化していったことは間違いないということが判明した。

 この研究により、ポソ湖がアジアを代表する同所的種分化のモデルケースとして今後重要になってくる可能性が高いと言う。

 研究の詳細は、Evolution誌に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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