赤ちゃんへの母親の語りかけは言語回路形成を促す 慶大などの研究

2019年8月23日 17:06

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母親声条件と他者声条件における左下前頭回(a 白矢印)、右上側頭回(b 黒矢印)との脳機能結合。(画像:慶應義塾大学発表資料より)

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 生後まもない新生児において、母親の語りかけが脳の言語回路の形成を促すという事実を慶應義塾大学などの研究グループが明らかにした。またこの研究は、胎児期から母親の声などによる言語学習が始まっていることをも示唆するという。

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 研究に携わっているのは、慶應義塾大学文学部心理学研究室及び慶應義塾大学赤ちゃんラボの内田真理子研究員、皆川泰代教授、慶應義塾大学医学部小児科学教室の有光威志助教、高橋孝雄教授ら、並びに中央大学・首都大学東京の研究グループ。

 かつて、人の赤ん坊はタブラ・ラサ(白紙の石版の状態)で生まれてくると考えられていた。まっさらな状態で生まれて、生まれた後の学習がすべてを決定する、と考えられていたのだ。だが今日の脳科学は、乳児の脳機能が過去に考えられていたよりも遥かに発達した状態にあることを次々と明らかにしている。

 たとえば、新生児であっても母国語を聞くと脳に反応が現れる、という研究がある。ただ、言語回路(前頭葉のブローカ野(言語野)と側頭部の後部言語野を結ぶもの)は新生児では見受けることができず、まだ発達していないと従来は考えられていた。

 今回の研究では、胎児期から日本語環境で育った新生児37名を対象に、母親の声と他の女性(他の新生児の母親)の声で、乳児向けの語りかけをし、その際の脳活動を分析した。

 すると、他人の母親の場合よりも自分の母親から声をかけられた場合の方が、より強い脳活動が確認できたという。

 その後の研究としては、現在父親の声を使った脳機能実験を行っているとのことである。

 研究の詳細は、Developmental Cognitive Neuroscienceに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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