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JAXAは21日、H3ロケット用の固体ロケットブースタ「SRB-3」の地上燃焼試験を、8月28日に種子島宇宙センターで実施することを発表した。
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ブースターロケットとは、本体ロケットの推進力を補助する目的で本体に取り付けられるロケットで、スペースシャトル計画などでおなじみの技術である。
今回の試験は、SRB-3の「認定型モータ地上燃焼試験」と表現されているが、なぜロケットなのにモータの試験が必要になるのか疑問になる。実は固体燃料ロケットのエンジンのことをモータと呼ぶのである。ロケットが電力モータによって推進力を得るわけではないので、誤解のないようにしたい。
H-3ロケットは、現行のH2Aと比べて打ち上げコストを半分(約50億円)に抑えることを目標にして開発が進められ、2020年度に試験機の打ち上げが予定されている。
SRB-3はこのH-3ロケットのブースターとして開発が進められているもので、昨年8月に実機型モータ地上試験が実施、最大推力2,137kNが得られ、試験目的を達成している。
今回発表のあった認定型モータ地上燃焼試験は、合計2回が計画されている試験のうちの1回目である。今回の試験は昨年の試験結果を受けて、SRB-3の認定型モータを製作し、設計・製造、検査工程を確定するために実施されるものである。
SRB-3のモータ燃焼試験は、実機型モータ燃焼試験1回+認定型モータ燃焼試験2回の合計3回が計画されているが、イプシロンロケットの第1段開発も兼ねている。
イプシロンロケットは、より低コストの運用を可能にしていくために開発され、改良が進められているものである。2019年1月18日には4号機が打ち上げられ、搭載した7基の人工衛星すべての分離にも成功している。
H-3ロケットとイプシロンロケットはシナジー効果を得ていくことを期待して、並行して開発作業が進められているが、ブースターロケットのSRB-3もH-3ロケットとイプシロンロケットの両方で有効な推進特性の確立を目指している。
H-3ロケット本体については、2018年11月から移動発射台が、2019年1月には運搬車が、それぞれ工場で完成し、種子島宇宙センターでの組み立て段階に移行している。民間の衛星打ち上げ需要にこたえていくだけでなく、海外からの受注も可能になるような魅力あるロケットシステムの構築を目指している。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
関連キーワード宇宙航空研究開発機構(JAXA)、種子島宇宙センター、H3ロケット
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