カシューナッツから無色透明のポリマーを開発 東京農工大

2019年8月22日 06:55

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カシューナッツの殻から誕生した無色透明でフレキシブルな材料(写真:東京農工大の発表資料より)

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 再生可能な生物資源である「バイオマス」。東京農工大学は20日、カシューオイルから無色透明のポリマーの開発に成功したことを発表した。原料となるカシューナッツの殻の多くが廃棄物処分されるだけでなく、耐熱性やフレキシブル性を有していることから、幅広い材料分野への応用展開が期待できるという。

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■期待が集まる再生可能な材料

 地球温暖化や化石燃料枯渇への懸念、マイクロプラスチックの汚染問題などにより、バイオマスの需要が高まっている。バイオマスを燃焼させて放出される二酸化炭素は、生物の成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素であるため、大気中に新たな二酸化炭素は増加しない。そのため、このような「カーボンニュートラル」で再生可能なバイオマスの有効利用に期待が集まっているという。

 東京農工大学の研究グループが注目したのが、カシューナッツの殻から採取される天然植物油「カシューオイル」である。カシューナッツの殻の多くは廃棄処分になり、また食用にならないことで知られている。

■困難な無色透明化も実現

 カシューオイルはこれまで、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、木工用塗料等に製品化されてきた。ところが、製造工程では、ホルムアルデヒドや重金属触媒、揮発性有機化合物などの環境や人体に有害な物質が使用されてきた。

 研究グループが開発したバイオベースポリマーはこれらの化合物を使用しない代わりに、光を照射することで高分子を形成させる「光重合」によって、バイオベースポリマーは室温でも形成可能だという。

 開発したポリマーは350度まで耐熱性をもつだけでなく、フレキシブルな特性をもつ。また従来のカシュー製品は、着色により無色透明化が難しく、経時による物性の変化が大きいという課題があった。だが今回、光学的な無色透明化が実現されただけでなく、時間を経ても物性の変化を抑制させることに成功した。これにより、カシューオイル製品の可能性が大幅に拡がるという。

 カシューナッツの殻はベトナムやインド等の新興国で多く発生することから、これらの国への科学技術・経済支援にも貢献するだろうと、研究グループは大きな期待を寄せている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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