「シーマン」発売から20年 ユカイ工学と共感する対話エンジンを開発へ

2019年8月1日 18:52

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共同開発する対話エンジン「ロボット言語」のイメージ。(画像: ユカイ工学株式会社の発表資料より)

共同開発する対話エンジン「ロボット言語」のイメージ。(画像: ユカイ工学株式会社の発表資料より)[写真拡大]

  • BOCCO emo(画像: ユカイ工学株式会社の発表資料より)

 コミュニケーションロボットなどの企画・開発や販売を行うユカイ工学(東京都新宿区)は7月30日、日本語に特化した会話エンジンの開発を手掛けるシーマン人工知能研究所(東京都港区)と業務提携すると発表した。対話エンジン「ロボット言語」の共同開発を行うほか、ユカイ工学は、シーマン人工知能研究所が2020年にリリースを予定している日本語会話生成エンジン「オギルビー」の販売代理事業を展開する。

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 ユカイ工学は、しっぽの付いたクッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」や、コミュニケーションロボット「BOCCO(ボッコ)」など、家庭用コミュニケーションロボットの開発を手掛けている。一方のシーマン人工知能研究所は、世界で200万本を売り上げた会話型育成ゲーム「シーマン」シリーズの開発者として知られる、斎藤由多加氏が所長を務めるベンチャー企業。今年はシーマンの発売20周年でもある。

 今回の提携では、シーマン開発で培ったエンターテイメント性の高い会話技術開発のノウハウを生かし、共感する対話エンジン「ロボット言語」を共同で開発。「BOCCO」の次世代モデル「BOCCO emo」に搭載する。

 現在、スマートスピーカーに搭載されている音声認識技術の精度は向上しているが、ユーザーが指示したことに応えるという一方向型のコミュニケーションとなりがちだ。両社が開発する音声認識技術では、独自の文法体系による原始的な音声言語を開発し、“ロボットの意図をユーザーが理解する”というコミュニケーション体験を目指すという。

 もう一つの共同事業となる「オギルビー」の販売展開は、シーマン人工知能研究所が2年前から開発している自律型会話エンジを、ロボット以外のさまざまなデバイスにライセンス供与していくというもので、ユカイ工学のマーケティング網を通じて展開していくという。

 ハード開発のユカイ工学とソフト開発のシーマン人工知能研究所が提携することで、両者は、機会創造と領域拡大を目指していく。(記事:Kei_T・記事一覧を見る

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