信金Webは野村證券企業部になれるだろうか?

2019年7月8日 16:19

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城南信用金庫が中心となって立ち上げた「よい仕事おこしネットワーク」のロゴ。(画像: 城南信用金庫の発表資料より)

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 先に中小金融機関の生き残り・勝ち残り策として信用金庫と中堅証券の提携を取り上げたが、6月21日の東京新聞Web版でこんな展開が始まったと知った。

【こちらも】地域金融機関に見られ始めた「自助努力」という名の「生き残り策」

*信金の雄: 城南信金が事務局となり全国130の信金が連携し、地元の中小企業の販路拡大などを支援するWebサイトの運用が20日から本格的に始まった。

*企業は取引のある信金の承認を得て「悩み事(例えば販路拡大等)」をサイトに挙げる。

*6月中にも2000の企業情報が登録される見込み。

 全国規模の中小企業間の「縁結び」は、企業にとっても信金にとってもプラスに働く。こんな報に接し是非論はあろうが、バイタリティを強く感じさせたかつての野村證券を思い出した。

 私の書籍処女作は『野村證券・企業部』(1984年3月、まだアマゾンで中古本が売られています!)。未だ旧山一証券に主幹事企業数で相応の水をあけられていた野村證券の施策をまとめた一冊である。

 中に「プレジデントクラブ」なる存在が記されている。企業部を軸に未上場企業を組織化し、「信金Webサイト」のように「技術(製品)はあっても販路がない」「販路はあるが技術(製品)がない」といった企業間の縁結び役を果たし上場企業に育て上げていこうというものだった。

 企業部の創設者は当時法人部門担当常務の故田淵節也氏(後の同社社長・会長)、担当役員の故豊田善一氏(後の同社副社長、国際証券社長会長)だった。書籍を上梓した後2人から「見透かされたよ」とお褒めの言葉?を頂いた。

 私は企業部を、源氏物語の主人公:光源氏に見立てた。光源氏が後の最愛の妾(ひと)なる紫上を見かけたのは、「若紫」と呼ばれていた幼少の頃だった。詳細は源氏物語をお読みいただくとして、光源氏は若紫を語弊覚悟で言えば「願い通りの女」に成長させんがためあの手この手を施し紫上に仕上げた。これに倣って「プレジデントクラブ=光源氏」論を展開したのである。無論、面白おかしくするための論ではない。こんな事実を知ったが故の変化球であった。

 1977年4月、当時の東京スタイル(現TSIホールディングス)の前2月期決算が、東証記者クラブ(兜倶楽部)で発表された。発表の席に臨んだのは故高野義雄専務(後の社長)だった。75年12月に野村證券主幹事で東証2部に上場した同社にとっては、実質上上場後の初決算。記者からこんな質問が飛んだ。「お宅はいま無借金経営。公開公募で調達した資金をもとに成長階段を駆け上っている。今後の目指す道筋、それを実現するための資金調達法を知りたい」。中計を改めて披露した後、高野氏の口を突いて出た言葉はこうだった。「当社のメインバンクは野村證券です」。

 信金Webの運営に当たっては、「当社の主幹事証券は〇〇信金と△△信金です」とする上場会社が現れるくらいの「踏み込み」を期待したい。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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