堀場製作所、「はかる」技術の強化で連続最高収益更新へ挑む

2019年6月30日 15:39

小

中

大

印刷

 堀場製作所は6月21日、中国上海に100%出資子会社「厚礼博投資有限公司」を、資本金約33億円で7月に設立し、中国グループ会社の統括、ファイナンス及び資金管理を行うと発表した。これは、2020年に向けた中長期経営計画で、資産効率の向上により企業価値の最大化を目指す方針に基づくものである。

【こちらも】日清紡、団結力強化と事業ポートフォリオの見直しで企業価値向上を目指す

 堀場製作所は、1945年に堀場雅夫が京都で堀場無線研究所を創業したことに始まり、コンデンサのpHメータの開発に成功し、1953年に株式会社堀場製作所を設立した。

 分析・計測機器メーカーとして発展し、売上高2,105億円(前期)の構成比は、自動車部門38%、環境部門9%、医用部門12%、半導体部門28%、科学部門13%と多彩な製品を世界各国へ送り出している堀場の動きを見ていこう。

■前期(2018年12月期)実績と今期見通し

 前期売上高は過去最高を更新する2,105億円(前年比8%増)、営業利益も過去最高を更新し、前年よりも20億円増の288億円(同7%増)であった。

 増益要因としては、阿蘇工場拡張と米国テクノセンター開設による供給開発力強化、期前半の好調により半導体部門で14億円、環境規制強化で新興国、アジアでのビジネス拡大と現地化推進により環境部門で9億円の増収だった。一方で、米州で拠点強化に伴う費用により科学部門では2億円の減益となった。

 今期はいずれも過去最高を更新する、売上高2,180億円(同4%増)、営業利益290億円(同1%増)を見込んでいる。

■中長期経営計画(2016年~2020年)などによる推進戦略

 目標は、2020年12月期売上高2,500億円(対2015年比46%増)、営業利益300億円(同55%増)。堀場の技術を強化して5つの事業部門をバランス良く成長させ、分析、計測の真のパートナーになることを目指し、次の戦略を推進する。

 1.自動車部門
 ・排ガス規制の流れの中、アジア、欧州市場の拡大と競争力強化に向けた投資拡大。
 ・大学との産学連携で自動車産業の変化に対応。
 ・2018年9月ドイツFuelCon社買収により、電池試験事業の強化と車の電動化を見据えた先進研究施設を稼働。

 2.環境部門
 ・アジアでの環境規制強化により煙道排ガス、大気、水質計測装置の拡大と現地化推進。

 3.医用部門
 ・血球計数装置に関して、中国、インドで販売を拡大させ、地球温暖化に対応したマラリア感染スクリーニング機能を付与。
 ・ロームより微量血液検査事業を承継し、院内検査市場でのシェア拡大。

 4.半導体部門
 ・半導体メーカーの投資は成長局面に入ったが、材料評価、製造工程、品質管理/排水処理など製造プロセスの豊富なラインナップを生かしてビジネス拡大。

 5.科学部門
 ・2019年1月ナノ粒子計測機器を開発する米国のMANTA社を買収、新技術獲得によりコアビジネス拡大。

 6.バランス経営、マトリックス組織による企業成長を加速
 ・One Companyの経営方針に基づき、部門のバランス経営と多様な人材を集めて部門の枠を超えたマトリックス組織により企業成長の推進。

 7.資産効率の向上により、企業価値の最大化を実現
 ・グローバルレベルで統一の基幹業務システムを稼働し、企業価値の最大化を推進。

 社会の変化に対応し、多彩な分析・計測技術を開発、新市場・新分野への展開を目指す堀場の動きに注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

関連キーワード買収地球温暖化半導体堀場製作所

広告

広告

写真で見るニュース

  • AI搭載の小型汎用ロボット「ZUKKU」を活用した健康増進プログラムのイメージ。(画像: ハタプロ発表資料より)
  • 中性子星と発せられたパルサーの想像図 (c) B. Saxton (NRAO/AUI/NSF)
  • 第2ターミナルの内部。(画像: 中部国際空港の発表資料より)
  • ケニアでの実証実験に使われる産業用無人ヘリコプター「フェーザーR 
G2」(画像:ヤマハ発動機の発表資料より)
  • 季節に合わせたタイヤ選びが重要
  • HD140283 (c) Digitized Sky Survey (DSS), STScI/AURA, Palomar/Caltech, and UKSTU/AAO
  • (c) 123rf
  • 使用イメージ。(画像: サンワサプライの発表資料より)
 

広告

ピックアップ 注目ニュース