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プロキシマケンタウリを周回するプロキシマケンタウリbのイメージ図。(c) ESO/M. Kornmesser[写真拡大]
アルファケンタウリは太陽以外で、地球に最も近い連星系として知られている。この連星系は3つの恒星からなる。これらはアルファケンタウリA、B、Cなる呼称で識別されており、中でもアルファケンタウリCはプロキシマケンタウリとも呼ばれ、3重星で最も地球に近い恒星である。
【こちらも】太陽系外衛星に宇宙人が存在する可能性も
このプロキシマケンタウリでは、2016年8月にハビタブルゾーンを周回する惑星プロキシマケンタウリbが発見されている。ハビタブルゾーンとは、宇宙の中で生命が誕生するのに適した、惑星の表面温度が水を維持できる程度となる領域を指す。
NEAR(Near Earth in the Alpha Cen Region)プロジェクトは、このアルファケンタウリ連星系にある惑星を直接観測する研究チームである。彼らは南米チリにあるヨーロッパ南天天文台の超巨大望遠鏡に装備された、熱コロナグラフを中赤外線観測のために特別にアップグレードし、惑星が発している熱を直接観測する試みを、2019年5月23日から開始した。
この装置を使えば、地球の2倍程度以上の大きさの惑星が発する熱を直接捉えることができ、その意味において、NEARは太陽系外惑星の熱を直接観測する世界でただ一つのプロジェクトで、その動向が注目されている。
またプロキシマケンタウリではこの4月にも、もう一つの惑星が存在する可能性も指摘されており、これを包含するアルファケンタウリ連星系は太陽系外惑星探索の最もホットなスポットと言えよう。
ちなみにプロキシマケンタウリは太陽と比べて、暗く小さな赤色矮星で、ハビタブルゾーンは太陽系よりも、より恒星に近い領域になると考えられている。アルファケンタウリA、Bはいずれも太陽に非常に近い大きさを持ち、これらを回る新たな惑星の発見にも非常に期待がかかっている。
アルファケンタウリ連星系が惑星探索のホットスポットとなっている理由は、地球に近く、惑星の熱を直接観測できるからだけではない。電波による通信にかかる時間が往復でも9年未満であり、もし知的生命体を発見できれば、直接交信できる可能性がある点も見逃せない。電話をかけて、返事が来るのが9年後ではじれったくて仕方がないが、人類が初めて出会う隣人である。そこは大目に見て、首を長くして待とうではないか。 (記事:cedar3・記事一覧を見る)
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