富山大、新たな経験が記憶される仕組みの観察に成功

2019年6月17日 19:54

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記憶痕跡細胞の活動と記憶の関係(富山大学表資料より)

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 富山大学は、脳内の経細胞集団の活動を光で測定する技術を開発し、自由行動状態のマウスの脳内で、新たな経験が脳内に記憶として保持される仕組みを世界で初めて観察した。

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 これまで、新たな経験や学習、出来事の記憶には、脳内の神経細胞集団の活動が関係していることは分かっていた。記憶は、神経細胞の活動の痕跡として脳内に保持されると考えられてきた。記憶に関わる細胞が記憶痕跡細胞(エングラム細胞)と呼ばれ、この細胞に関わる情報が再入力されると、記憶痕跡細胞が活動して記憶が想起されると理解されてきた。

 この記憶は、最初に脳の海馬で形成されることまでは分かっていた。だが自由に行動できる状況下で、記憶に関わる神経細胞集団の活動を継続観察する技術がなかったため、経験に関する記憶が脳のどの部位にどう定着し、再度引き出されるのかの詳細は、分かっていなかった。

 富山大では、脳内の記憶に関わる細胞の活動を、細胞へのカルシウムイオンの流入として光で観察できるマウスを作り出し、生きて自由に行動するマウスの脳内を観察した。その結果、記憶は、記憶痕跡細胞集団の中で複数の亜集団が時間差を伴って順次活動することで形成されることが分かった。そしてその一部が、睡眠中に自発的に再活動することで記憶が定着し、記憶が呼び起こされるときには、これらの亜集団が優先的に活動することを明らかにした。

 今回開発された神経細胞集団の亜集団の解析技術は、脳内に保持されている情報の詳細な解読に繋がるだけでなく、効率の良い記憶学習法や、アルツハイマー型認知症などの記憶障害の診断法開発などへ応用が期待されるという。

 今回の研究成果は、6月14日に英国科学誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載された。

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