GTなのか? スポーツカーなのか? 議論無用の俊足BMW・M8(上) 【初代V12の失敗】

2019年6月13日 09:24

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新型「M8 Competition Coupe」と新型「BMW M8 Convertible」(画像: BMWの発表資料より)

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 新型BMW・M8クーペ(BMW・M8 Coupe)と新型BMW・M8カブリオレ(BMW・M8 Cabriolet)を、6月5日、BMWは欧州で発表している。BMWのMシリーズはご存知の通り、標準車の高性能モデルだ。M8シリーズは、BMW・850シリーズの高性能モデルとなる。BMWの旗艦となる存在だ。

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■初代モデルの失敗

 BMW・850の初代モデルは1990年に発売され、1999年に生産終了している。20年ぶりの再登場となるのだが、6シリーズとの兼ね合いがあるようだ。デザイン的にも販売面でも成功した初代6シリーズの、実質的後継モデルのように登場したのが初代8シリーズだった。V12気筒FRモデル、新型8シリーズと同じように2+2で、パッケージングの美しいクーペであった。

 BMW・750と共通のV12気筒エンジンは300馬力であったが、「シルキー」と呼ぶのにふさわしいBMWの旗艦として恥じないエンジンであった。しかしこのV12気筒エンジンは、当時、日本車のコンピュータ制御技術に追いつけとばかり、大幅に進めてきたコンピュータ制御を取り入れた、BMWとしては最初のパワーユニットであった。そのためか、ボッシュ製の制御ユニットはいわゆる「バグ」だらけと言っても良い状態で、どの様な走行状態でも「エンスト」、「半エンスト」を起こしていた。つまり200km/h高速巡行中でも、踏切の中でも、突然エンジンストップしていたのだ。

 また時には12気筒のうち半分の6気筒が停止してしまうなどの問題が多発していた。これは当時のことで、センサーが反応すると全て「システムダウン」としてしまう制御プログラムになっており、高速巡行中、ワインディング走行中、踏切横断中などでは、オーナーは恐ろしい思いをすることとなっていた。

 これについてはボッシュの製品改良が必要であったはずだが、すぐには対応できなかったのか?生産が中止となってしまった。中古車はBMWディーラーに入庫した場合は再販しなかったようだ。日本に輸入された台数も少数であり、「社会問題とならないようにBMWが始末した」と言ったところであろうか?BMWとしても「苦い思い出」となって、現在は忘れられようとしている。

■レジェンドV12気筒エンジンの消息?

 しかし、この5000ccV12気筒エンジンの出来は、真に「シルキーフィーリング」と言って良く、低回転域ではエンジンがかかっていることさえタコメーターを見なければ確認できないほど静かだった。200km/hを超えるころになって、ようやくエンジンがうなる音を確認できる程度だった。

 ジャガーの「ダブル6(V12)」エンジンよりも明らかに傑作エンジンとしてBMWの歴史に輝いて良いはずだが、今では話題にすることもはばかれるのであろう。レジェンドであるべきこのエンジンの消息を、今は聞かない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: GTなのか? スポーツカーなのか? 議論無用の俊足BMW・M8(下)【625馬力・4WD・4WS】

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