ソフトバンクGのお掃除ロボは売れ筋になるか?

2019年6月12日 16:43

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「Whiz」(画像: ソフトバンクの発表資料より)

「Whiz」(画像: ソフトバンクの発表資料より)[写真拡大]

 ソフトバンクグループはいまやその利益の4割を、前3月期決算が示した通り、運用する「投資ファンド」による含み益の実現で生み出している。携帯電話事業はともかく、他の事業会社の影は薄い。

【こちらも】ソフトバンク、ペッパーに続く業務用清掃ロボ「Whiz」を発表

 だがグループ内の実態を調べていくと、興味深い事業に出会える。「ソフトバンクのロボット」して登場した、感情認識パーソナルAIロボット:Pepper(ペッパー)はグループ内のどんな企業が担当しているのだろうか。そんな興味本位を入り口に検索すると、登場したのが、ソフトバンク ロボティクスなる企業。広範な施設の「業務用掃除ロボット」も手掛けていた。その名もWhiz(ウィズ)。

 そもそも米国カリフォルニア州サンディエゴにあるブレインコーポが開発したAIソフト、「ブレインオーエス」の日本の総販売代理店になったのが契機。AIソフトをウィズに搭載して販売することになった次第。このウィズ、なかなかの優れもの。例えば以下の様な具合。

★1度人間が手押しで清掃ルートを教えると、即座に記憶。以降、自動走行で掃除をする。60cmの幅さえあれば、どこでもOK。

★記憶したルート上に人や荷物など邪魔者?が突如現れても、ウィズの前方部に取り付けられた3Dカメラがキャッチ。人間なら一度停止した上で、単なる荷物等なら容易に迂回する。

★走行データは全てクラウド上にアップデートされるため、万が一「破損」といった事由が発現しロボット本体の交換という事態になってもデータは失われない。

 ビル等の不動産物件に詳しい業界紙の記者から、ウィズを実際にその目にした際の話を聞いた。「ウィズには連続3時間稼働が可能なバッテリーが備わっている。1時間当たり約500平方メートルの掃除をするので、床掃除はウィズに任せ清掃スタッフは他の業務に携わることができる。ソフトバンク ロボティクスでは、“個人情報を扱う・保管するような秘匿性の高いオフィスの専有部分では清掃スタッフ=人間よりウィズをというニーズが高まっている”としている。また今後は同じAIを活用し、警備用や運搬用のロボットを視野に入れている」。

 孫正義氏率いるソフトバンクグループとは、なんとも興味深い存在ではある。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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