24時間営業の見直しが進むコンビニ、食品ロス削減へも目を向け始めた! (2-2)

2019年5月25日 17:58

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 販売期限が到来し廃棄処分となる商品を、スタッフに持ち帰らせる粋なオーナーもいたようだが、最初は喜んでいたスタッフも連日のように同じような弁当では流石に食傷気味になる。コンビニの成長期で、スタッフの雇用環境にも問題のない時期には、”欠品をおこすな”という殺し文句による多めの発注で、廃棄処分が膨らんでもオーナーの勘定に吸収できた。

【前回は】24時間営業の見直しが進むコンビニ、食品ロス削減へも目を向け始めた! (2-1)

 現在はライバルのコンビニどころか、同じフランチャイズに属するFC店同士が競合するほどの過酷な経営環境の中で、人手不足の進展による人件費の高騰という事態に対応できない店舗が増加している。セブンイレブンの場合、廃棄処分の際の店舗負担分である85%(15%は本部負担)が重荷になっていた。

 セブンイレブンの目標とする日販は60万円だそうだ。原価率が7割なので営業利益は18万円ということになる。フランチャイズ契約では利益を概ね折半することになっているため、オーナーの利益は1日9万円だ。これで話が終わるのであればバラ色のオーナー稼業だが、オーナーはパートの給料をここからひねり出す。

 2名ずつ3交代のパートを雇用すると、時給900円と仮定しても、1日4万3200円のパート賃金が流出する。人手を増やしたり、深夜勤務の割り増し、給水光熱費の支払い、販売期限到来による廃棄処分の85%を被ると、オーナーの手元には僅かな歩留まりしか見込めないことになってしまう。下手をすると、パートを雇用する代わりに自分がレジに立って人件費を浮かせる羽目に陥ってしまう。セブンイレブンで時短営業を希望していると言われる80店舗では、既にそんな状況にあるのではないだろうか?

 そんな積年の懸案に対して、セブンイレブンが打ち出した施策は、今秋を目途に販売期限が4~5時間に迫った弁当や麺類などを対象にして、販売価格の5%程度をナナコポイントとして、本部の負担で還元する方向だ。ローソンも同様のポイント還元の実験を6月11日~8月31日までの期間に、愛媛県と沖縄県の約450店で始める。

 このポイント還元によって店舗の廃棄負担が軽減すれば、オーナーのフトコロ具合に良い結果をもたらすことは間違いないし、日本全体でも食品ロスが減少することは喜ばしいことだ。5万店のコンビニすべてで1日に1つの弁当を廃棄するだけで、日本全国では5万食の弁当が廃棄されることになる。実際にはその10倍、20倍でも収まらないほどの膨大な食品ロスの発生源なのだから。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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