初期の銀河は想像以上に、熱く輝いていた スピッツァー宇宙望遠鏡

2019年5月14日 08:58

小

中

大

印刷

原始銀河の姿 (c) James Josephides (Swinburne Astronomy Productions)

原始銀河の姿 (c) James Josephides (Swinburne Astronomy Productions)[写真拡大]

写真の拡大

 NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡を用いた観測で天文学者たちは、この宇宙で最初に誕生した銀河は想像していたよりも高温で明るいものであったことを突き止めた。

【こちらも】最古の隕石に含まれる青い結晶から初期の太陽の活動が明らかに

 スピッツァー宇宙望遠鏡は、NASAが2003年8月に打ち上げた口径85cmの赤外線宇宙望遠鏡である。この望遠鏡は、宇宙からのかすかな熱をキャッチするために太陽や地球からの熱の影響を受けないような工夫が凝らされている。わずか85cmの口径にもかかわらず、原始銀河の熱を捉えるのに成功したのは驚きに値する。

 ビッグバン直後は陽子、電子がばらばらに存在していたが、宇宙空間の膨張で次第に冷えた結果、我々の宇宙はほとんど水素ガスで満たされていった。それから1億年ないし2億年かかって最初の恒星が誕生し、これらが集まって銀河を形成するにはさらに10億年の歳月を要した。この期間のうち、ほとんどの時間、宇宙空間は冷たい水素ガスで満たされていた。このガスによって波長の短くエネルギーの高い紫外線やガンマー線は吸収され、その影響でしばらくの間は宇宙は光が自由に進むことができない状態にあった。

 実は最初に冷えた水素ガスに高エネルギーの光が吸収されていく過程では、水素ガスのイオン化が起こっていた。これを再イオン化と呼んでいるが、光が自由に飛び回れるようになったのはガス状の水素のイオン化がほぼ完了したからである。だが実際のところ、再イオン化がどのように起こったのかその原因はまだ完全には解明されていない。

 スピッツァー宇宙望遠鏡は、天文学者たちが初期の銀河から発せられた特別な波長の光の観測を可能にしたが、その結果、原始銀河にはまだ重い元素が形成されていなかったことが判明している。またそれは原始銀河が現在の銀河の姿よりも明るかったことを意味し、それが当時においては多くの銀河の一般的な性質であったらしい。

 これらの明るい原始銀河が宇宙全体を再イオン化させる可能性があるのか、それ以外の特別な光源も影響していたのかまでは完全には明らかになっていない。だが2021年までに運用が始まる次世代のジェームズウェッブ宇宙望遠鏡は、スピッツァー宇宙望遠鏡の7倍以上の大きさがあり、宇宙の初期の頃をさらに詳細に研究することが可能になるため、近い将来この謎が解明される日が来ることであろう。(記事:cedar3・記事一覧を見る

関連キーワードNASA

広告

写真で見るニュース

  • ブラング エア パフュームディフューザー(カーメイトの発表資料より)
  • 渦巻銀河NGC3147のブラックホールに存在する降着円盤の想像図 (c) NASA, ESA, S. Bianchi (Università degli Studi Roma Tre University), A. Laor (Technion-Israel Institute of Technology), and M. Chiaberge (ESA, STScI, and JHU); illustration: NASA, ESA, and A. Feild and L. Hustak (STScI)
  • イオンモール上尾のイメージ(イオンモール発表資料より)
  • Nintendo Switch Lite イエロー。(画像:任天堂発表資料より)
  • 機体左側のイメージ(画像: 日本航空の発表資料より)
  • MAZDA6セダン(画像: マツダの発表資料より)
  • ノート e-POWER(画像: 日産自動車の発表資料より)
  • アルマ望遠鏡が撮影した、巨大原始星「G353.273+0.641」。原始星周囲のコンパクトな構造を赤、円盤を黄、その外側に広がるガス(エンベロープ)は青として疑似カラー合成されている。(c) ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Motogi et al.
 

広告

ピックアップ 注目ニュース