太陽観測ロケットCLASP2の打ち上げ成功、コロナのメカニズム解明に期待 JAXAら

2019年4月24日 21:01

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CLASP2打ち上げの瞬間 (c) US Army Photo, White Sands Missile Range

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所と国立天文台は23日、太陽観測ロケットCLASP2の打ち上げに成功したと発表した。

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■超高温のコロナの謎を解くCLASP
 太陽の大気中には、「コロナ」と呼ばれる電気的に解離したガス層が存在する。コロナの温度は100万度にも及び、表面の6,000度よりもはるかに高温だが、そのメカニズムは判明していない。

 太陽コロナが高温になるメカニズムに関連があると考えられているのが、太陽表面とコロナの中間に位置する「彩層」だ。磁場は太陽の大気の運動やエネルギーの輸送に関与するため、彩層の磁場観測がこの謎を解く鍵となるという。

 CLASP2の前身である初代CLASPは、2015年9月4日に米ホワイトサンズから打ち上げられた。CLASPを大気圏外まで飛ばし、落下するまでのわずかな時間に、「ライマンアルファ線」と呼ばれる彩層の中性水素が放つ紫外線の観測を実施。磁場が存在すると散乱偏向の向きや大きさが変化する「ハンレ効果」をライマンアルファ線から観測することで、磁場を検出するのが目的だった。

■2代目となる太陽観測ロケット
 ところがCLASPの観測したライマンアルファ線のみでは彩層の磁場を精度良く決定するには至らず、コロナ加熱の謎に取り組むには不十分だった。そこでCLASP2では太陽の彩層が出す紫外線の偏光を測定することで、太陽大気の磁場測定を行うという。

 彩層の磁場の向きや強度を得るために、CLASP2では、彩層中の電離マグネシウム線が放つ紫外線を観測し、散乱偏光やハンレ効果、ゼーマン効果を検出することで、高精度で磁場情報の取得を試みた。

 12日に米ホワイトサンズから打ち上げられたCLASP2は、無事大気圏外を弾道飛行し、地上から160キロメートルの高度で約6分間、太陽観測を実施。観測後にパラシュートで落下させた装置は無事回収され、データの取得にも成功した。

 JAXAでは、CLASPを利用した観測実験が将来の太陽観測衛星の計画に貢献すると期待を寄せている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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