コンビニ業界に広がる「時短営業」問題、根本にある人手不足問題に、どんな対応をするのか? (3-3)

2019年4月15日 18:54

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 現在は国を挙げて外国人材の導入を進めなければ、経済が停滞しかねないほどの危機的な雇用環境の悪化がある。時給をはずめば人手は確保できるかもしれないが、それでなくとも逼迫した収支環境に置かれている多くのFC店の経営はもたない。

【前回は】コンビニ業界に広がる「時短営業」問題、根本にある人手不足問題に、どんな対応をするのか? (3-2)

 セブン‐イレブンにとって、競合するライバルの後塵を拝することなく、本部とFC店の共存共栄を進めていくビックプランは、まだ存在しない。すでに動き出した時短営業を実現するビジネスモデルを練り上げることが、業界のリーダーとしての役割だろう。

 中労委はコンビニ本部との団体交渉を求めるオーナーの訴えに対して、3月15日に「FC店のオーナーは労働者ではないので、団体交渉はなじまない」との判断を下した。ただし、「法的なものにとらわれず、解決の枠組みをつくることが望ましい」とコンビニ本部の配慮を求めたものと受け止められている。

 5日に経済産業省が人手不足の是正計画を求めたのは、コンビニ本部とFC加盟店の間に紛争があることと、既存の法律でカバーしきれないことを認めて、「行政指導」のように”要請”という形で、法律に依拠しない手法に打って出たことになる。

 経済産業省は労働力不足の問題の解決策を立案するため、有識者による検討会を立ち上げると共に、コンビニ各社に対しては無人レジの導入など具体的解決策を求めた。経済産業省自身が18年12月~19年3月にFC店に対して行ったアンケートに対して、オーナーの約6割が「従業員の不足」と訴えている実態を深刻に捉えている証だろう。コンビニ各社の具体的解決策が出そろった段階で、FC店オーナーの意見も取り入れた問題解決方法を探らせる姿勢だ。

 団体交渉を認めなかった中労委の判断を不服として、FC店側が東京地裁に取り消し訴訟を申し立てる可能性はあるが、共存共栄を謳うコンビニ本部とFC店が裁判所で争う可能性を座視できない経済産業省の親心が、どんな流れを生み出していくのか、そして業界の雄であるセブン‐イレブンがどんな対応を取るのか、大いに注目されるところである。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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