8日の米国市場ダイジェスト:NYダウ83ドル安、利益確定の売りが広がる

2019年4月9日 07:51

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記事提供元:フィスコ


*07:51JST 8日の米国市場ダイジェスト:NYダウ83ドル安、利益確定の売りが広がる
■NY株式:NYダウ83ドル安、利益確定の売りが広がる

米国株式相場はまちまち。ダウ平均は83.97ドル安の26341.02、ナスダックは15.19ポイント高の7953.88で取引を終了した。前週の株価上昇を受けて、利益確定の売りが先行。S&P500やナスダック総合指数は、引けにかけて上昇となったものの、今週から始まる1-3月期決算発表や英国のEU離脱協議を見極めたいとの思惑から上値は限られた。ダウは、航空機メーカーのボーイング(BA)の業績懸念が重しとなり下落した。セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や家庭用品・パーソナル用品が上昇する一方で公益事業や資本財が下落した。

複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)は、JPモルガンによる投資判断・目標株価引き下げを受けて下落。ボーイングは、2度の墜落事故を起こした「737 MAX」の減産を発表し、業績悪化懸念から軟調推移。電気自動車のテスラ(TSLA)は、モルガン・スタンレーが通期の納車台数見通しを下方修正し売られた。一方で、写真共有アプリを手掛けるスナップチャット(SNAP)は、複数アナリストによる買い推奨が相次ぎ上昇した。

4月中の新規株式公開(IPO)を目指す写真共有サイトのピンタレスト(PINS)は、今週から必要な情報開示や投資家向け説明会を行う予定だが、IPOの想定価格レンジを17年の資金調達時の評価額よりも低い水準に設定する見通しだ。

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■NY為替:米利下げ観測後退でドル・円下げ渋り

8日のニューヨーク外為市場でドル・円は、111円28銭まで下落後、111円54銭まで上昇し、111円50銭で引けた。良好な米3月雇用統計を受けて年内利下げ観測は後退したこと、入札を控えて米国債利回りはやや上昇していることから、ドル買い・円売りが優勢となった。

ユーロ・ドルは、1.1243ドルから1.1274ドルまで上昇し、1.1260ドルで引けた。ユーロクロス絡みの買いが優勢となった。ユーロ・円は、125円31銭から125円62銭まで上昇。ポンド・ドルは、1.3035ドルへ下落後、1.3074ドルまで上昇した。欧州連合(EU)はサミットで、メイ首相が提案した6月末まで、5月末に予定されているEU選挙以降までの短期離脱延期を認める可能性があるとの報道を受け、無秩序な離脱が回避できるとの安心感が広がりポンド買いが再燃した。ドル・スイスは、1.0001フランから0.9978フランまで下落した。


■NY原油:続伸で64.40ドル、米経済悪化の懸念後退

NY原油先物5月限は続伸(NYMEX原油5月限終値:64.40 ↑1.32)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比+1.32ドルの64.40ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは63.13ドル−64.48ドル。米国経済は大幅に悪化するとの懸念は後退し、原油需要の増大を想定した買いが入った。ユーロ・ドルがやや強い動きを見せたことも意識されたようだ。石油輸出国機構(OPEC)による減産体制は維持されており、市場関係者の間では1バレル=60ドルが当面の下値目途になるとの見方がさらに増えている。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 29.17ドル +0.09ドル(+0.31%)
モルガン・スタンレー(MS) 44.98ドル +0.08ドル(+0.18%)
ゴールドマン・サックス(GS)202.54ドル +0.16ドル(+0.08%)
インテル(INTC) 55.68ドル +0.08ドル(+0.14%)
アップル(AAPL) 200.10ドル +3.10ドル(+1.57%)
アルファベット(GOOG) 1203.84ドル -3.31ドル(-0.27%)
フェイスブック(FB) 174.93ドル -0.79ドル(-0.45%)
キャタピラー(CAT) 139.82ドル -0.54ドル(-0.38%)
アルコア(AA) 29.66ドル +0.11ドル(+0.37%)
ウォルマート(WMT) 99.23ドル +0.40ドル(+0.40%)
スプリント(S) 5.77ドル +0.14ドル(+2.49%)《SF》

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