国内株式市場見通し:日経平均は下値調べ後の戻りを試す展開か

2019年3月23日 15:02

小

中

大

印刷

記事提供元:フィスコ


*15:02JST 国内株式市場見通し:日経平均は下値調べ後の戻りを試す展開か
■上値の重さ意識も日経平均は2週連続高

前週の日経平均は上昇した。週間ベースでは2週連続の上昇となった。米中貿易交渉の進展が報じられた15日のNYダウが3日続伸となり、中国の李克強首相が景気刺激策の継続発表を好感した流れを受けて、18日の日経平均も続伸スタートとなった。「米中首脳会談が6月にずれ込む可能性」との報道が出て伸び悩んだが、上海総合指数の上昇が支援して堅調な展開を維持した。19日の日経平均は3日ぶりに小反落に転じた。19日から開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)では、年内の利上げ凍結の見方が一段と強まるとの思惑からNYダウは4日続伸となったものの、為替相場が1ドル=111円台前半と円高に振れたことを嫌気して利益確定売りが優勢となった。20日の東京市場は5日ぶりに反落したNYダウを警戒して売り先行で始まったものの、押し目買いニーズは強く、日経平均は反発し21600円台で大引けた。FOMCでは、大方の予想通り政策金利は据え置かれたほか、インフレ圧力の緩和や経済成長の後退を受けて19年度の利上げ見通しをゼロに引き下げた。これを受けて20日のNY市場は一時買いが先行したものの、大引けにかけて値を消す展開となった。しかし、21日のNYダウは前日比216.84ドル高と3日ぶりに急反発した。FOMCの発表を見直す形で投資家のリスク選好姿勢が強まり半導体・半導体製造装置やテクノロジー関連に買いが先行した、21日の祝日(春分の日)から休日の谷間となった22日の東京市場は方向感が定まらない展開となった。NYダウの上昇を受けて寄り付きで日経平均が3月5日以来となる21700円台に乗せた。為替が1ドル=110円台への円高となったことが嫌気されて、その後はマイナス圏で推移したものの、大引けにかけて引き戻して続伸で終えた。米医薬品のバイオジェンが、エーザイ<4523>と開発中のアルツハイマー治療薬の試験を打ち切り急落し、エーザイもストップ安比例配分となったほか、医薬品株の下げが目立った。22日のNYダウは460.19ドル安と急反落した。ユーロ圏、フランス、ドイツの3月製造業PMIがいずれも予想を下回る低調な内容で欧州株の全面安の流れを受けるとともに、米国債イールドカーブ(長短金利差)が再び逆転したことから世界経済減速への警戒感が広がった。

■欧米株安と円高の逆風

今週の日経平均は、下値調べを見た後の戻りを試す展開となりそうだ。前述の経済指標の悪化と米国の長短金利の逆転現象を受けた欧米株安の流れが週明けの東京市場にも影響しそうだ。また、22日のNY市場で為替も1ドル=109円台への円高が進行し相場への逆風は強まっている。22日のシカゴ225先物(円建て)清算値は大阪比355円安の20985円で、3月11日以来となる日経平均21000円割れを視野に、どの水準で調整にブレーキが掛かるかを見極める必要があるだろう。先物主導のボラタイルな動きも予想されるなか、為替が円高に振れて日経平均の上値を抑える形となっていることから調整一巡後の戻りの勢いも注目点だ。

■27日の配当落ち動向に注目

こうしたなか、今週は3月末配当、株式分割等の各種権利付き最終売買日が26日に到来する。過去3年間の3月権利付き最終日の日経平均終値は2016年131.62円高、2017年217.28円高、2018年551.22円高といずれも大幅高となっている。日経平均連動型パッシブファンドは、配当落ちでポジションが縮小することを避けるため、先物を買い建てて調整する必要が出てくる。前年の場合、日経平均先物型での買い需要は1138億円と推定され、今年は1246億円規模の買い需要が発生すると予想されている。TOPIX先物型ではこれを更に上回る5000億円規模の買い需要が発生する計算だ。一方で、権利落ち日となる27日には日経平均の配当落ち分が昨年と同規模の約171円と推定され、下げ幅が171円以内ならば、実質上昇ということになる。いずれにせよ26日から27日の前場にかけては先物売買の動向に影響を受ける展開となりそうだ。このほか、イベントとしては、米中の閣僚級貿易協議が北京で開催されることが不透明要因だ。なお、昨年3月末の日経平均は21454.30円だった。一方、物色的にはエーザイ<4523>の22日のストップ安でバイオ人気には冷水が浴びせられた形となったが、代わってグーグルのゲーム市場への本格参入でゲーム関連株の一角に動意が広がってきたことが注目される。

■アップル発表会、権利付き最終日、米個人所得・個人支出

今週の主な国内経済関連スケジュールは、25日に1月全産業活動指数、26日に2月企業向けサービス価格指数、3月14・15日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、3月末権利付き売買最終日、28日にJPX清田CEO記者会見、29日に2月労働力調査・有効求人倍率、2月鉱工業生産、2月商業動態統計がそれぞれ予定されている。一方、米国など海外経済関連スケジュールは、26日に米2月住宅着工件数、米2月建設許可件数、27日に米1月貿易収支、28日に米10-12月期GDP確報値、米2月中古住宅販売仮契約、29日に米2月個人所得・個人支出、米2月新築住宅販売件数の発表がそれぞれ予定されている。このほか、25日に米アップルの新製品・サービス発表イベント開催なども予定されている。なお、3月29日だった英国のEU離脱期限は、現状で4月12日までの無条件延期となり、メイ英首相は離脱案を再度下院の採決に付す見込みだ。《FA》

広告