対米通商問題の進展と、ドル/円の動向に注目 住信SBIネット銀行(三井智映子)

2019年3月19日 10:29

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記事提供元:フィスコ


*10:29JST 対米通商問題の進展と、ドル/円の動向に注目 住信SBIネット銀行(三井智映子)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター三井智映子です。まずは、先週のマーケットを振り返ってみましょう。

米国市場では、週初めは航空機墜落事故の影響でボーイングが大幅に下落を続けNYダウ上値の重しとなっていましたが、パウエルFRB議長がメディアのインタビューで現在の政策金利が適切であるとの認識を示したことは買い安心感につながりました。週半ばに入ると、英議会で合意なきEU離脱をめぐる採決が否決されたことが好感されました。

週末にかけて、米中貿易摩擦について、3月に予定されていた米中の首脳会談が4月に延期されるとの報道が嫌気されましたが、李克強首相が景気刺激策の継続を発表したことが報じられると、再びリスクオンの流れとなりました。週間ではNYダウは1.57%高と反発、S&P500は2.89%高、ナスダックは3.78%高と大幅に反発しています。日経平均も先週は反発ムードが広がりましたが、週末にかけて北朝鮮の非核化協議停止の報道などの影響で伸び悩みました。

さて、今週のマーケットはどうなるのか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。

まずレポートでは、『英EU離脱期限を6月30日まで延長した離脱協定修正案を、3月21~22日のEU首脳会議の前日3月20日までに英議会で可決されるか否か』に注目しています。今月29日の離脱期限を前に英議会の採決とEU側の対応がポンドの動きにどう影響するか、対ドル・対円を中心に注目されると伝えています。

また、今週21日に行われるFOMCと終了後のパウエルFRB議長の会見も注目となります。米2月消費者物価指数の低下などインフレ関連の経済指標が軟調なデータも示される中で、レポートでは、『パウエルFRB議長の会見で利上げに対して辛抱強い姿勢を当面維持するとの考えが、一段と利上げ据置きの長期化に言及するか』を注目ポイントとしてあげています。

さらに、『FOMC委員による政策金利見通しや成長率見通しが、12月時点から下方修正されるとの観測もあり、ドル/円の反応が注目されます』とも伝えており、『今週のFOMCを受けて一段と年内利下げ確率が高まる可能性もあり、ドル/円の上値抑制につながるかもしれません』との見解を述べています。

加えて、レポートでは、米中通商交渉について進展に向かうかどうかにも注目しています。トランプ米大統領やムニューシン米財務長官が交渉についてポジティブな見解を示すなか、『4月とされる米中首脳会談について前向きな動きが見られるか注目されます』と伝え、市場に『リスク選好の動きが強まるか注目』しています。全人代が閉幕し、『中国李克強首相が4月1日以降の付加価値税の引下げのほか、政策金利や預金準備率の引下げを検討』とも報じられており、今週の上海株がどのような動きをみせるか注目されると分析しています。

そして19日に発表される独3月ZEW景況指数については、『2月22日発表の独IFO景況指数は7ヵ月連続で前月から低下しており、ZEW景況指数も10ヵ月連続でマイナスになることが確実視』とされるなか、このことがユーロ売りにつながるか注目されると考察しています。そのほか、『年内の利下げ観測が高まる豪中銀の金融政策について、19日にケント豪州銀総裁補、20日にブロック豪中銀総裁補の講演が予定されており、利下げの可能性への言及の有無が注目』されるとも豪経済にもふれています。

最後にレポートでは、『英EU離脱問題、中国全人代が閉幕したことで、対米通商問題にどのような進展が見られるか、加えて米朝非核化を巡る問題に中国が何らかの支援的仲介に乗り出す可能性もあり政治的な動きを中心に神経質な展開が続く中、ドル/円は111円割れへとドル安円高が進行するのか、あるいは、再び112円台の回復に向かうのか注目されます』とまとめています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子《CN》

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