大質量星誕生領域の化学組成が判明 太陽系誕生の謎にも迫る 国立天文台など

2019年3月12日 08:22

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大質量星誕生領域の星間ダスト上で生成された分子が、ガスとして放出されて化学反応を起こしている想像図。(画像: 国立天文台の発表資料より)

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 米国バージニア大学の谷口琴美研究員を中心とした、国立天文台、ハーバード-スミソニアン天体物理学センターの研究グループは、大質量星形成領域の進化の進み具合を調べる指標として有用な、分子の組み合わせを発見した。「N2H+イオン」と「炭素原子」が複数連なった宇宙空間特有の炭素鎖分子の1つである「シアノアセチレン(HC3N)」の柱密度(単位面積当たりの物質量)比は、将来大質量星を生むと考えられる高密度分子雲の「星なしコア」から、若い大質量星が付随する高密度分子雲の「星ありコア」に進化が進むにつれて減少し、誕生直後の非常に若い星を見つけるのにも有効であることがわかったという。

【こちらも】超新星爆発の仕組みは星の質量が決定する 京大の研究

■大質量星の誕生過程を調べる

 大質量星形成領域の初期段階について、化学組成や分子を用いた有用な進化の指標は未確立だった。なお「大質量星」とは太陽より8倍以上重い星を指し、太陽と同程度の質量の恒星は「中小質量星」となる。

 大質量星の誕生過程は観測が難しい。その理由としては、大質量星は、形成領域が地球から距離が遠いことや、進化の進み具合が速いこと、集団的に星が誕生している領域内で生まれる傾向にあることなどが挙げられる。そのため大質量星の誕生メカニズムについては、未解明な点が多く残っている。

■化学組成によるアプローチ

 化学組成は、星形成領域の進化と共に変遷し、過去の情報も含んでいるため、分子雲の化学組成は星形成領域の進化を調べるための有益なツールとなる。化学組成を調べることは、どのような分子雲からどのような進化を経て現在の姿になったかを調べることにつながる。

 実は、太陽系の誕生した領域は大質量星形成領域によく似ている。大質量星形成領域の初期の化学組成とその進化を調べることは、太陽系形成過程の解明にもつながる。太陽系内の小惑星などに存在する有機分子の生成メカニズムの解明にも関連するものだ。

 この結果は2月20日発行の米国の天体物理学専門誌「The Astrophysical Journal」に掲載された。(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る

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