【どう見るこの相場】メモリアルな期末相場は歴史的な配当異動銘柄の権利取りでもしもの「彼岸底」にスタンバイ

2019年3月11日 09:06

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 メモリアルな平成最後の期末相場だというのに、何だか雲行きがおかしい。まず今年1月には景気回復の長さを戦後最長と騒ぎ立てたのに、3月7日に至って内閣府が、景気の基調判断を「下方への局面変化」と下方修正した。どちらが景気実態なのか、厚生労働省の統計不正で官庁エコノミストの信頼性が失墜した前例もあるから、今年10月の3度目の正直の消費税引き上げを前に、またまた忖度があるのかないのかなどと目を凝らしているのは、兜町の投資家ばかりではあるまい。

 もっと心配なのは、ユーロ圏の経済成長率見通しが下方修正され、米国、中国の経済指標が、発表されるたびに相次いで景気減速を示していることである。3月下旬とされる米中の首脳会談や、英国のEU(欧州連合)離脱などがスムーズに運べばいざしらず、なお紆余曲折があるようなら「春に三日の晴れなし」どころか「春の嵐」も覚悟しなくてはならなくなる。

 歴史は繰り返されることがよくある。昨年3月の期末相場も、「春の嵐」に見舞われて急落した。例の森友問題の影響が尾を引き、トランプ米大統領の中国への制裁関税第1弾発動や為替相場が1ドル=104円まで円高になったことが要因となって、日経平均株価は、危うく2万円台を割る寸前まで急落した。この時突っ込んだ2万347円安値からはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の持ち高調整の買いや国内機関投資家の配当の再投資などの期末の需給要因を手掛かりに底上げ、まさしく「彼岸底」を形成した。

 現在進行中のメモリアルな期末相場が、昨年の期末相場と同様に「彼岸底」形成となるか、それとも「春の嵐」の懸念一掃となるかは、国内要因より米中貿易協議や英国のEU離脱交渉次第となる海外頼りとなるのは痛いものの、どちらに転ぶとしてもGPIFの買いや配当の再投資の期末要因は、通常の年度末相場と変わらずに期待できるはずだ。となると仮にもしもの「彼岸底」があったとしても、そこは逆に期末恒例の投資スタンス場面となるに違いない。その代表が配当権利取りである。高配当利回りの大手商社株、メガバンク株や業績上方修正と同時に増配を発表した銘柄などがターゲットになるのが基本だが、折角のメモリアル相場である。創業・創立100周年を記念して増配する銘柄や配当還元方針を変更して増配した歴史的な配当異動銘柄をセレクションして、インカム・ゲインを享受する一方、過ぎ去る平成相場の31年間に思いを巡らせてみるのも一興となりそうだ。

■創業100周年どころか200周年、120周年の記念増配株まで数え高利回り

 今年1月年初来、メモリアルな期末相場に合わせるように歴史的な記念増配を発表した銘柄は意外と多い。とくに目立ったのが、今年に創業・創立以来1世紀を超え100周年を迎える銘柄である。酉島製作所<6363>(東1)は、今年3月6日に今年8月に創業100周年を迎えることから記念配当7円を上乗せして年間25円(前期実績16円)に増配した。株価は、3月期決算会社の第3四半期業績の発表が一巡して材料枯渇時期に入っていることもあって51円高とポジティブに評価された。

 同社以外に100周年の記念増配を発表した銘柄は年初以来、6銘柄に達する。コード番号順に列記すると日本甜菜製糖<2108>(東1)、タキロンシーアイ<4215>(東1)、新田ゼラチン<4977>(東1)、美濃窯業<5356>(名2)、スーパーツール<5990>(JQS)、新明和工業<7224>(東1)である。このうち新明和工業は、創業100周年であるとともに創立70周年にも当たるため年間配当を45円(前期実績18円)に増配し、同時に総額400億円の自己株式取得を発表した。またタキロンシーアイは、配当政策の変更もあって記念増配を実施し、新田ゼラチンは、今3月期業績を下方修正したものの記念配当を増配した。この記念増配に伴い年間配当利回りは、トップのスーパーツールの4.31%以下、タキロンシーアイ、日本甜菜製糖が4%台、美濃窯業、新明和工業が3%台央と市場平均を上回りインカム・ゲイン妙味は絶大となる。

 100周年を上回る周年記念の増配を予定する銘柄も、3社ある。石塚硝子<5204>(東1)は、200周年の記念配当20円を上乗せして年間65円に増配するが、この記念増配とともに発表した新株式発行・株式売り出しが響いて株価が急落、配当利回りは3.62%達する。120周年記念増配を予定しているのはロート製薬<4527>(東1)と飯野海運<9119>(東1)で、このうち飯野海運は、今期業績の下方修正も発表しており株価が低迷しているが、配当利回りは3.95%となる。

■記念増配幅を倍増させたKSKや本社ビル売却益を株主還元のスズケンなど大盤振る舞いも

 25周年から95周年の記念配当を発表した銘柄も14社を数える。このうちKSK<9687>(JQS)は、創立45周年の記念配当幅を期初予想の年間配当と同額の47円として年間配当を94円(前期実績47円)に倍増させ、配当利回りは4.91%と高まる。このほか60周年記念増配のセントラル総合開発<3238>(東2)の配当利回りが4.09%、55周年の青山商事<8219>(東1)の配当利回りが4.02%、90周年のモリ工業<5464>(東1)が、3.74%、ハピネット<7552>(東1)が3.38%と市場平均を上回る。

 配当政策の変更とともに増配を発表したのは前期のタキロンシーアイのほか、柿安本店<2294>(JQS)、スズデン<7480>(東1)、日伝<9902>(東1)と続く。柿安本店とスズデンは業績を下方修正したが配当は増配しており、このうちスズデンが本社ビルの売却益を株主還元し配当利回りは6.72%と高利回りとなる。同様に業績下方修正と増配を同時発表した銘柄は、既述の柿安本店、新田ゼラチン、飯野海運、スズデンを含めて10社となるが、このうちJXTGホールディングス<5020>(東1)の配当利回り3.92%、ウシオ電機<6925>(東1)が3.99%、綜研化学<4972>(JQS)が3.35%、柿安本店が2.99%と高利回りとなっておりインカム・ゲイン妙味を内包している。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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