中小・ベンチャーへの就職・転職という選択肢

2019年3月11日 10:49

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 来春卒業する学生らが対象となる企業の採用説明会が3月1日解禁され、人手不足を背景に学生優位の売り手市場が続いている。安定という大企業神話は崩壊しても、相変わらず大企業志向は根強い。そんな中、中小・ベンチャー企業への就職や転職はスキルアップやキャリアアップにつながり、実力次第で高収入も狙える時代になっている。

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■大企業神話の崩壊

 1990年代のバブル崩壊から地価や株価の資産価格が下落に転じ、景気は後退。近年、日本を代表し世界をリードしてきた東芝やシャープなどの動向を見ても、大企業は以前のような安定した会社とは言えなくなった。商品のライフサイクルが短くなり、労働市場の効率性と流動化が背景にある。

 これまで日本経済を支えてきた製造業では、IT(情報技術)やAI(人工知能)による技術の進歩で、多様な企業からより安価で高品質な商品が台頭した。かつてのようなロングセラーとなる商品は現れにくく、画期的な商品であっても意外に売れなくなることも稀ではない。

 ライフスタイルの変化から消費者のニーズが変わり、商品の売れる期間が短くなり、今では全く異なる商品に取って代わられる可能性まである。消費構造の変化で、大企業が成長できる安定した基盤は作りにくい時代になった。

 終身雇用的な慣行が根強い一方で、働き方への考えが多様化し、非正規労働者が10人中約4人を占める。労働市場の一部は流動化し、若者や非正規を軸に転職者数は大きく増えている。

 従来、大企業に安定をもたらした終身雇用による優秀な人材の確保も揺らいでいる。リストラなどで中年以降に転職を余儀なくされるリスクは大きいが、経験を活かし、スキルアップやキャリアアップするには中小・ベンチャー企業という選択肢は悪くない。

■中小・ベンチャー企業を選ぶ時代へ

 大企業の安定性が薄れる半面、中小・ベンチャー企業で経験を積み、実力次第で高収入も狙えるキャリアパスを自ら描く時代になった。

 会社の利益に対する影響力では、中小・ベンチャー企業では自らの割合が比較的大きい。厚生労働省平成26年度版「働きやすい/働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」によると、働きがい(52.6%)や働きやすさ(63.9%)は全体の過半数を占めている。

 業務が細分化される大企業に比べ、中小・ベンチャー企業では幅広く働け、多彩なスキルを身に付けやすい。年功序列型で社員数が多い大企業では責任ある業務は簡単には任せてもらえない。中小・ベンチャー企業なら実力次第で、より責任のある仕事に就き、高収入も狙える可能性も出てきた。

 中小・ベンチャー企業は経営陣との距離も近く、身近でマネジメントなどを学び、成長できるチャンスが多い。ネームバリューは低くとも優良企業も多く、将来への可能性を持つ企業も少なくない。

■経営者の視点を持つ

 将来的に独立、起業を夢見るなら、経営者の視点で仕事をすることが重要だ。会社の利益を考え、組織全体をマネジメントする目線は視野を広げ、スキルアップにつながるだろう。

 中小・ベンチャー企業へのトライは、自己成長を目指すには良い選択肢の1つと言えるのではないだろうか。

関連キーワード厚生労働省人工知能(AI)働き方転職

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