トヨタ・新型スープラに名機「2JZ-GTE」エンジンの載せ替えキット登場

2019年3月6日 09:17

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トヨタ・新型スープラ。(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

トヨタ・新型スープラ。(画像: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]

 CXレーシング(米国カリフォルニア州に本拠)は、トヨタ・新型スープラに、現行のBMW製エンジンに変えて、先代スープラはじめトヨタの高性能車に使用されていた、トヨタ・「2JZ-GTE」エンジンを搭載することができるキットを発売した。「2JZ-GTE」エンジンはマニア達には忘れられないエンジンであり、一世を風靡したトヨタの傑作エンジンだ。

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 トヨタ・新型スープラはBMWとの共同開発によりプラットフォーム、パワーユニットなど基本構造を共有している。「なんでトヨタのエンジンを積まないのだ?」といったマニアの不満の声が聞こえていたのだが、先代スープラが搭載していた名機「2JZ-GTE」エンジンに載せ替えるキットが登場した。

 トヨタ・「2JZ-GTE」型エンジンは、当時日本では最大出力280ps自主規制が行われていたため、3.0リットル直列6気筒ツインターボで、日本国内仕様、最大出力280ps、最大トルク44kgmであった。新型スープラのBMW製3.0リットル直列6気筒ターボエンジンは、米国仕様、最大出力335hp、最大トルク50.5kgmを発揮しており、比較すると載せ替えるメリットがないように思える。

 しかし、トヨタ・「2JZ-GTE」エンジンは、基本構造が耐久性に強く、チューニングすると高出力となり壊れないと評判がよかった。ドラッグレースなど極端なチューニングを施すレース仕様では、最大2000psを絞り出しても短時間であると耐えられたという。日産のGT-Rが再登場したときのエンジン「RB26DETT」がライバルであったのだ。 ともに、市販車は最高出力280psに制限されていたが、実際に制限を解除するだけで500psにはなるといわれたエンジンだった。制限を解除したROMが多数売られていたのを覚えている。

 新型スープラは、これからヨーロッパで行われる、ほとんどノーマルカーである「GT4」カテゴリーのレースにも参加するようで、世界でトヨタ・新型スープラのチューニングが始まったのだろう。それならば、トヨタの名エンジン「2JZ-GTE」を使わない手はない、ということなのだろう。トヨタファンとしては、BMWエンジンで我慢する訳にはいかないのだ。日常に使用する車体でも、エンジンもトヨタ製にすることが、マニアにとっては新型スープラでも誇らしいものなのだ。設計時点でレース仕様車を先行して開発するBMWの姿勢が生んだポテンシャルが、今後、トヨタ・新型スープラの可能性を開花させていくのであろう。

 こうした豊田章男社長が主導するレースに対する動きが、日本の自動車市場の活性化に繋がっていくのか見ものである。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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