プレミア12の組分け決定 侍ジャパンの戦い方は

2019年2月15日 21:42

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 2019年11月に開催される野球の国際大会、第2回プレミア12(11月12~17日)のグループ組み合わせが決まった。世界野球ソフトボール連盟から発表され、3グループに分かれたオープニングラウンド(台湾・韓国・メキシコ開催)で日本はB組に入り、台湾、ベネズエラ、プエルトリコと同組になった。

■東京五輪への前哨戦として

 4年前の第1回大会の覇者である韓国は、キューバ、カナダ、豪州と、2017年のWBC優勝のアメリカは、メキシコ、オランダ、ドミニカ共和国とそれぞれ同組となっている。各組上位2チームが日本で行われる2次ラウンドに進む。

 また、大会は20年の東京五輪予選も兼ねており、開催国の日本を除いた11カ国の間で出場権が争われる。アジア・オセアニアとアメリカ大陸の最上位国にそれぞれ1枠ずつ与えられる。開催国として五輪への出場が決定している日本にとって、この大会はタイトルを狙うと同時に翌年に向けての前哨戦としての意味合いが強くなりそうだ。

 大会から7カ月後に控える東京五輪への出場メンバーを固め、且つそれぞれのポジションや役割も見極める必要がある。国内球団所属のプロ選手で構成される代表チームにとって、数少ない貴重な実践の場になることは間違いない。

■勝負と共にチームの骨格を築くために

 但し、今大会の戦い方がそのまま五輪へのシミュレーションになるとは言い難い。真夏に行われる東京五輪は全6チームにより11日間で初戦から決勝までが行われ、変則トーナメントを行う。シーズン終了後の開催となるプレミア12では開催時期や試合数、投手のローテーションなどの起用法も大きく異なる。第1回となった2015年大会は投打の主力だった大谷翔平や中村剛也は2017年3月のWBC本大会には出場していない。広島の菊池涼介のように今季終了後のメジャー行きを望む選手の存在も踏まえ、来年夏に向けてのメンバーを固定する大会としては捉えづらい。

 同じことはコーチングスタッフにも言える。第1回大会では準決勝の韓国戦、リードし優位に進めながらも継投のミスにより逆転負けを喫した。大会後、小久保監督(当時)の采配が疑問視され、一部スタッフの入れ替えも行われた。指揮を執って初の主要大会となる稲葉監督にとってもベンチワークを「学ぶ」場にならないことを願うばかりだ。

 3月の国際試合には招集を辞退した主力選手もいる中、今年最大の国際大会であるプレミア12、さらには来年の東京五輪へ向けてのチーム作りは決して簡単ではない。選手、首脳陣、球団、さらにファンの後押しも含め、多くの協力や理解が得られたうえで初めて五輪金メダルへのスタートラインに立てるのではないだろうか。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

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