中国需要を巡る明と暗

2019年2月13日 15:12

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  時事通信社の時事ドットコムが2月7日までに4-9月期決算を発表した東証1部の3月期決算企業(金融を除く874社)の収益動向について、「純利益で前年同期比3.0%減」「通期予想を下方修正した企業は117社、上方修正の72社を大きく上回った」と伝えた。そして記事中の小見出しを「最高益予想が一転」「広がる先行き懸念」とし、具体的な例としてスマホ関連・自動車関連の電機メーカーについて減益は「中国需要の減退」が最大の要因とする内容を配信した。

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 その翌日8日、「我々は(中国景気に)減速感を感じていない」とする企業が登壇した。資生堂。前2018年12月期の決算発表に臨んだ魚谷雅彦社長は「1月はプレステージ(高価格帯)系の中国販売が前年同月比40%伸びている」とした上で、前記の発言に至ったのである。中国の景気減速に関する指標がここにきて相次いでいる。が、「美」に関する消費動向は別物なのだろうか。魚谷氏は日本コカ・コーラ時代に「プロマーケッター」と称された人物。14年に資生堂社長に就任した。詳細は他に譲るが「魚谷氏の構造改革で新たな成長段階に入った」と評価されている。

 資生堂のこの間の収益動向、前12月期決算の内容を検証してみた。

 17年12月期は「18.2%の増収、118.7%の営業増益、29.1%の最終減益、7円50銭増配37円50銭配」。18年12月期は「8.9%の増収、34.7%の営業増益、169.9%の最終増益、17円50銭増配の45円配」。営業利益で初の大台に乗せ、売上・純益共に過去最高。そして今期計画も「7.0%の増収(1兆1720億円)、10.8%の営業増益(1200億円)、23%の最終増益(755億円)、15円増配60円配」とした。売上・利益全てで最高更新。

 さて要は、中国市場動向である。総売上高比率は17年度の日本市場(41・4%)に次ぐ14・4%から18年度は17・4%に比率を高めている。営業利益シェア然りで、7.8%から12.8%に拡大している。米・欧市場が「営業損失」という現状からみると、海外市場は中国の伸びで支えられていると捉えることができる。この限りでは「中国景気の減速感を感じていない」に頷かざるをえない。業界アナリストは「21年度中の稼働を予定し、九州福岡工場を(福岡県久留米市、投資額500億円近く)建設中なのも中国市場拡大が背景となっている」とする。しばし様子見としか、現段階では言いようがない。

 ただ「口ほどにものを言う」株価動向は16年度の初値(16年1月始値)で買い現在まで保有していると、2.8倍のパフォーマンスを残している。担当アナリストの株価予想平均値(IFIS目標平均株価)は時価の1300余円上値にある。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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