味わい豊かな宇宙食、ISSで食べるサバの味噌煮

2019年1月31日 13:31

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JAXAが公開した動画。(画像: Youtubeの動画より)

JAXAが公開した動画。(画像: Youtubeの動画より)[写真拡大]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)20日、動画サイトYouTubeに宇宙日本食についての動画を公開した。

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 宇宙日本食は、日清食品や大塚製薬、森永製菓、尾西食品などが開発しており、JAXAによる厳正な審査に合格した食品が認証されている。動画内ではサバの味噌煮や海苔巻き、ようかんやわかめスープを食べる宇宙飛行士たちの様子が見られる。

 宇宙日本食の対象は、伝統的な和食だけではなく、日本の食卓に並ぶ食事を広く対象としている。例えばシーフードラーメンやイワシのトマト煮などだ。JAXAは宇宙食となる食品を広く募集しており、中には福井県立若狭高等学校海洋科学科の高校生が、先輩から後輩へと研究を引き継いで12年かけて完成させたサバの醤油味付け缶詰もある。

 ISS(国際宇宙ステーション)は地上から約400キロメートル上空にある有人実験施設だ。1998年から2011年にかけて各国からパーツが打ち上げられ、現在の形となった。宇宙という特殊な環境を利用した研究や実験が行われ、科学技術の進歩を目的としている。2000年から宇宙飛行士が滞在し、現在は約6カ月ごとに交代している。これまでにISSに長期滞在した日本の宇宙飛行士は、2度の長期滞在を経験しISSの船長も務めた若田光一氏から始まり、昨年帰還した金井宣茂氏まで7名いる。

 初期の宇宙食は栄養バランスに主眼をおいた、チューブや固形といったバラエティの少ないものが多かった。その後、各国で宇宙飛行士たちに豊かな食生活を提供するために宇宙食の開発がすすめられた。現在では約300種類の宇宙食があり、さらに種類を豊富にするための取り組みがなされている。

 重力の小さいISSの中でも食べやすいように一口大に切り揃えたり、液体の粘度を高くしたり、特殊な容器に入れてこぼれないようにするなどの工夫がなされている。容器に関してもかさばらないように、重ねられる仕様となっている。

 宇宙日本食の一部は、全国の科学館などでも一般に販売されており、JAXAセンターミュージアムショップ「UNiBO」では、オンライン販売も行われていてる。

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