【どう見るこの相場】東京製鉄型か安川電機型か?すでに業績を2回上方修正した銘柄にイベント相場を期待して3Q決算日を要マーク

2019年1月28日 10:04

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 マーケットでは「石が浮かんで木の葉が沈む」などという超常現象は、日常茶飯事である。つい最近の「木の葉」銘柄といえば、東京製鉄<5423>(東1)だろう。今3月期業績の2回目の上方修正と自己株式取得を同時に発表し、株価は水面上に浮上してしかるべきなのに、33円安まで売られその後も上値が重い。一方で、今2月期業績の2回目の下方修正を発表した安川電機<6506>(東1)は、500円高し、永守重信会長が、「尋常でない変化」とした中国需要の減少を受け今3月期業績の下方修正を発表した日本電産<6594>(東1)は、小幅安にとどまり、市場が覚悟した「ショック安」は起こらず「石が浮かんだ」ままだ。

 この超常現象は、今週週明けから本格化する3月期決算会社の今期第3四半期(2018年4月~12月期、3Q)業績の発表を前に、期待と不安をないまぜにしてくれる。というのも、前週末25日に富士通ゼネラル<6755>(東1)が、今3月期3Q決算の発表とともに3月通期業績を下方修正したからだ。同社株は、四半期決算発表のたびに昨年8月、10月と2回も業績を上方修正しており、そこから一転して下方修正したのである。株価の感応度は、昨年7月が小幅高、10月が5%超高と「石」と「木の葉」の推移が交錯しており、週明けに安川電機型となるか、それとも修正通りに下値模索となるか注目されている。

 3Q業績全般は、米中貿易摩擦激化に伴う米国、中国を含めた世界景気の減速や、円高・ドル高の進行などから、下方修正のバイアスがかかると懸念されている。その決算発表で富士通ゼネラルが一転して下方修正し、株価感応度が上か下かによって、この先の相場の方向性が、業績相場となるか逆業績相場となるか左右するほどのインパクトを持つかもしれないということである。もちろん銘柄個々の超常現象は、相場全般の方向性、株価水準に影響されるものの、それ以上に個別の信用需給、さらに業績ガイダンスの個々のクセなどが要因となることがある。とくに信用取組は重要で、売り残、買い残、信用倍率などの動向などによって真逆に振れ、まさしく「売り方が相場を作り買い方が相場を崩す」ケースも多いから見逃せない。

 そこで今回の当コラムでは、安川電機と富士通ゼネラルにならってこれまで2回、3月期業績を上方修正してきた銘柄を取り上げ、3Q決算発表に際して開示する業績動向に対する株価感応度が、「石」となるか「木の葉」となるかに迫ってみた。「一度あることは二度ある、二度あることは三度ある」か、それとも「三度目の正直」となるか、いずれにしても関連株の決算発表日は要マークである。

■リード役有力の主力ハイテク株は「石」か「木の葉」か3度目のトライ

 関連株でまず第一に取り上げなければならないのが、全般相場のリード役に躍り出る可能性のある主力ハイテク株である。このなかで半導体関連株は、年初に証券会社の投資判断が「弱気」に格下げされ株価が下ぶれたが、米国のフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が、大幅続伸しダウ工業株30種平均(NYダウ)をオーバーパフォームしたことに反応して上昇転換を鮮明化したからだ。代表は、太陽誘電<6976>(東1)である。同社株は、積層セラミックコンデンサの価格改定、需要拡大を背景に昨年8月、11月と今期業績を2度上方修正した。しかし株価感応度は、2回ともダウンサイドのままで今年の大発会には昨年来安値へ突っ込んだ。この間、信用需給は、売り方が撤退する一方、買い残が積み上がって荷もたれ感を強めていた。3Q決算発表で株価感応度が「石」となるか「木の葉」となるか3度目のトライとなるもので、2月8日の決算発表日が重要イベントとなる。

 日経平均株価の構成銘柄の主力ハイテク株では、このほかコニカミノルタ<4902>(東1)、ミネベアミツミ<6479>(東1)、ソニー<6758>(東1)、関連化学株も同じく日経225採用の旭化成<3407>(東1)、三井化学<4183>(東1)のほか関東電化工業<4047>、などもすでに2回、今期業績を上方修正してきた。また小型株では、トレックス・セミコンダクター<6616>(東1)も、この一角を占める。

■資源関連株、素材関連株も価格改定動効果がフォローのカギ

 当コラムで再三取り上げる資源関連株も、今期業績をすでに2回、上方修正した。国際石油開発帝石<1605>(東1)、石油資源開発<1662>(東1)、富士石油<5017>(東1)の上流企業三羽烏で、原油価格の動向が在庫評価益に影響して業績修正要因となった。原油先物(WTI)価格はその後、1バーレル=40ドル台下位まで急落し、足元では53ドル台まで底上げするなど上下にフレているが、サウジアラビアは、80ドル奪回を目指し協調減産を進めているとのマーケット・コメントもあるだけに3Q決算の動向から目が離せない。

 同じ素材関連では、鉄鋼関連の黒崎播磨<5352>(東1)、TYK<5363>(東1)、日本冶金工業<5480>(東1)、日本製鋼所<5631>(東1)が、製品販売価格の改定効果でグループ入りし、機械株のダイフク<6383>(東1)、輸送関連株のNSユナイテッド海運<9110>(東1)、SGホールディングス<9143>(東1)、内需関連の日医工<4541>(東1)、ゴールドウイン<8111>(東1)なども加わる。業績上方修正とともに増配や自己株式取得を発表した銘柄も少なくなく、株主還元策への期待も高まることになる。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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