AIでゴルフクラブ設計(下) 石川遼の契約キャロウエイ、AI抜きには考えられない時代

2019年1月14日 09:18

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「エピックフラッシュ」(画像: キャロウェイゴルフの発表資料より)

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■波打つフェース厚みは、AIの試行錯誤の大量の経験値だ

 キャロウエイでは、石川遼、上田桃子など日本人のトーナメントプロが試打した感想を宣伝しているようだ。「人間の常識と想像を超えた」飛びと表現しているが、この宣伝の裏側の事情を覗いてみよう。ドライバーフェースの反発係数は規制されており、上限に既に達していた。それなのに、「さらに飛ぶ」とはどの様なことなのか?反発係数が同じでボール初速が高くなることが起きるには、ヘッドの運動エネルギーが効率よくボールに伝わる必要がある。そこには、フェースだけでなくクラブヘッド全体の歪み方などとの関係が考えられる。

【前回は】AIでゴルフクラブ設計(上) 石川遼の契約キャロウエイ、AI抜きには考えられない時代

 キャロウエイがこれまで積み重ねてきた技術の1つに、2本の柱をヘッド内部に立て、上下の歪みを制御してヘッドの動きを最適化していた技術がある。それをそのままに、フェースの厚みを最適化したのが今回の新技術のようだ。無駄なくボールに運動エネルギーを伝え、多少のミスでもカバーして平均ボール初速を上げる努力だ。スイートスポットが広がる(ミスに強い)と、プロと言えども平均して飛距離が出るようになる。さらに、ボールのバックスピン量を最適化すると、同じボール初速でも飛距離が出るようになる。

 こうした特性から、プロとアマチュアではメリットが大きく違ってくる。基本的に、ゴルフクラブがミスに強いことは、アマチュアにとってメリットが大きいと思われる。また、バックスピン量が抑えられると、ヘッドスピードの高いプロにとって大きなメリットとなるようだ。

 これらの設計はこれまで人のアイディアに頼っており、検証が不十分であったが、AIのスピードなら検証が数多く出来、精度が上がる。そのため、これまでフェースの厚さは、より薄いと反発係数が大きいと考えられてきたが、現状のルールの下でAIが試行錯誤を繰り返すと、波打つ形状となって表れた。

 キャロウエイもテーラーメイドもこれまで数々のアイディアを駆使してきたが、今後は、全体の形状や重量配分などをAIに全面的に任せて設計させると思われ、どの様な形状のゴルフクラブが誕生するのか楽しみだ。また、AIによる設計が必須となってくることは、ゴルフクラブに限らず確かなことだ。自動車のプラットフォーム、サスペンションなど乗り心地に関する設計などは、AI抜きには考えられない時代ではないのだろうか?(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

関連キーワードゴルフ(スポーツ)人工知能(AI)上田桃子

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