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麻生太郎財務大臣は禁煙をしたのだろうか
財務省は昨年12月28日に、たばこのパッケージに印刷される「健康被害の警告表示」について「表示面積を現在の30%から50%に拡大する」と発表した。7月25日に成立した「受動喫煙対策法(以下対策法)」(2020年4月以降に全面施行)を受けての方策である。
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財務省の発表を詳細にみると前記に加え「警告表示を区切る枠線を太くし1mm以上とし、より目立つように様にする」「文字と枠線の色は白か黒に限定する」「警告文言も、たばこの煙は周りの人の健康に影響を及ぼすとする」等々「アンチ煙草」を前面に強力に押し出すものとなっている。
私は愛煙家。が、「対策法」を否とはしない。ただこの発表に接し4つのことが脳裏を走った。
一つは、対策法審議の過程で野党議員が「大臣執務室は現在、喫煙可能なのかどうか」と質問した。為政者側の答えは「麻生(太郎)財務大臣と小此木(八郎)内閣府特命大臣(防災担当)の執務室は喫煙可能な状況になっている」というものだった。かつ「対策法成立後は全面禁煙とする」とも付け加えられた。この限りでは、麻生・小此木両大臣が「喫煙家」であることは容易に想像ができた。いま思う。財務省の親玉:麻生氏は禁煙に踏み切ったのだろうか。でなければ、どんな風にしていまは煙草を楽しんでいるのか。
一つは私が敬愛してやまない経済評論家だった故三原淳雄氏のことだった。旧日興証券マン(ロサンゼルス支店長等を歴任)から評論家に身を転じた人物である。まさに気骨の評論家だった。覚えておられる人も多いと思うが、証券界がいわゆる「損失補填問題」で大揺れした折、日本証券業協会の「有識者懇談会」の委員に招かれた。三原氏は一貫して「証券界の古き体質が出た。だが損失補填を受けた企業側の責任も問われなくてはならない」と主張し続けた。そんな三原氏も大の愛煙家だった。「40年も50年も楽しみ続けているたばこを辞めるほど、僕は意思が弱くはない」と、周囲を「煙(けむ)」にまいていた。
一つは民営化された日本たばこ産業(JT)から国が吸い上げる財源である。財務大臣名義で筆頭株主(33・3%保有)の立場に君臨している。JTは1994年10月上場後も、前12月期まで14期連続の増配を行っている。筆頭大株主の影響大と捉えられる。前期の財務相への配当金は9337億円弱。財務省は厚労相と計らい一部を是非「分煙体制」の整備に充ててほしい。愛煙家からのお願いである。
そして最後の一つは、JTの証券取引所での業種分類である。「食品」セクターに属している。確かにJTは食品・医薬品の多様化の道を模索した(している)。が、前期の総売上収益の87%強が「内外のたばこ事業」で占められている。なにか的を射た分類はないものか。「民営化」なる分類を設けるのも一策ではないだろうか。
仕事柄、歩き回る機会が多い。頭の中には、主な取材エリアでは「どこに喫煙施設があるか」がインプットされている。三原氏の意を継ぎ「長年の付き合いの煙草と縁を切るほど意思が弱くない」と嘯いて、ルールを守り煙草と付き合っていこうと思う。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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