東証1部への上場が12月19日に迫ったソフトバンクに、突然の逆風が! (3-1)

2018年12月13日 19:35

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 イヤな感じはカナダの司法省が5日、中国の通信機器の最大手である華為技術(ファーウェイ)の創業者の娘(孟晩舟)を逮捕したと発表したことから始まった。孟晩舟氏はファーウェイの副会長兼最高財務責任者(CFO)という要職に在り、影響の深刻さは米中摩擦の新たな火種として、俄然大きな注目を集めることとなった。逮捕容疑は米国が経済制裁中のイランにファーウェイが違法な製品輸出を行った疑いがあり、米当局による孟氏の拘束要請があったという。

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 6日には、ソフトバンクの携帯電話に大規模な通信障害が発生した。その後、原因はスウェーデンのエリクソン製の通信機の、ソフトウエアの更新ミスであることが公表された。この事故では6日の午後に約4時間半に渡る通信障害が発生したことと、世帯保有率が75%を超えたスマホの高い普及状況が相まって、深刻な混乱を生じるに至った。

 皮肉なことにソフトバンクが矢面に立った原因のエリクソン製の機器は、KDDIやNTTドコモでも使用されているが、たまたま今回トラブルを引き起こした機器でなかったため、被害を受けることはなかった。通信障害は同様の機器を使用する世界の11カ国で同時発生的に起こったが、日本ではソフトバンクだけが割を食って、モヤモヤしたマイナスイメージだけが残ってしまった。事故原因をかいつまんでまとめると、エリクソンが納入した機器のソフトウエアの有効期限切れだという。とんでもない大事故が、拍子抜けするような原因で発生した訳だ。

 今やスマホは通話をするだけの道具ではない。航空券になったり、コンサートのチケットにもなる。キャッシュレス決済に欠かせないアイテムにもなっている。言ってみれば社会の基盤を支えるインフラでもあるということだ。混乱の度合いによっては、”とばっちり”のソフトバンクに向かう社会の視線が厳しくなるのは、止むを得ない。東証1部に上場する日程を考えると、通信障害の事故だけでもタイミングが悪すぎたが、ファーウェイに関する続報が更に深刻度を高めることになった。(3-2に続く)(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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