温暖化による穀物生産被害、世界全体では年間424億ドル 農研機構などの推計

2018年12月12日 12:16

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温暖化による収量影響の推定値。(画像:農研機構発表資料より)

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 地球温暖化が主要穀物の平均収量に与える影響は、過去30年分の平均で、全世界では年間424億ドルにもなるという。農研機構、国立環境研究所、ならびに気象庁気象研究所が共同で推定を行った。

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 地球の温暖化そのものはもう止めるべくもないことであるので、今後も継続的に安定して人類が穀物生産を行っていくためには、それに対応するための技術の開発・普及が欠かせない。特に、人口増加の比率が高い多くの開発途上国が、温暖化の悪影響を受けやすい赤道近辺などの熱帯・低緯度地域に集中していることから、その影響は深刻である。

 しかし、現実問題として政治を動かし資金を動かすためには科学的な証拠を提示しなければならない。温暖化の影響を、それだけ切り出して具体的に試算するためにはどうすればよいか。

 そこで3つの研究機関は、温暖化影響の検討のために作られた気候データベースを用いて、地球温暖化が主要作物のトウモロコシ、コメ、コムギ、ダイズに過去30年に渡って与えた影響を、世界全体に関して推定した。

 温暖化が起こっている過去の気候条件下で推定される収量と、温暖化が起きなかった場合に推定される収量は、コメを除いた4種類の主要穀物において、前者の方が低くなった。

 温暖化が起きなかった場合との比べた場合、平均収量の低下は、トウモロコシが4.1%、コムギが1.8%、ダイズが4.5%であるという。コメに関しては温暖化の影響は分析できなかったとのことである。

 さて、これを世界の収穫面積分布と国別の生産者価格に乗算し、被害額を産出した。結果として、被害額はトウモロコシ223億ドル、コムギ136億ドル、ダイズ65億ドル、合わせて424億ドルであったという。特にトウモロコシの被害額は、世界3位の生産国であるブラジルの年生産額の2倍にも相当する。

 研究の詳細は、英国王立気象学会の科学国際誌「International Journal of Climatology」に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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