【どう見るこの相場】衣の下には一時休戦の「自国第一主義」、G20イベント通過後だからこそ地政学リスク関連株は常備株候補

2018年12月3日 10:05

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 いよいよ平成最後の大納会が、あと18営業日後に迫ってきた。この平成最後の師走相場が、華々しく「掉尾の一振」で終わるか、それとも期待も虚しく「掉尾の三振」を喫するかは、前週末に地球の裏側のアルゼンチンで開催されたG20(20カ国・地域首脳会議)中の各国首脳会談の動向に掛かっていた。なかでも最注目イベントは、日本時間の12月2日8時過ぎに終了した米中の首脳会談で、トランプ大統領と習近平国家主席とが、米中貿易摩擦について何らかの折り合いをつけるベスト・シナリオとなるか、それとも会談が平行線のまま物別れとなるワースト・シナリオとなるかで、強弱感が分かれていた。

 幸いなことにこの首脳会談は、ベスト・シナリオでもワースト・シナリオでもなく、ほぼ市場の観測通りの決着となって米中貿易戦争は、一時休戦となるようである。米国は、来年1月からの関税引き上げを猶予し、中国は農産物などの輸入を拡大させるとともに、知的財産保護などの中国の構造改革の協議を継続し、90日以内に合意に達しない場合は、関税率を25%に上乗せして追加関税を発動する内容である。ワースト・シナリオの貿易戦争の激化が回避され、11月29日に利上げの早期打ち止めを示唆したパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演に続く早めのクリスマス・プレゼントともなるもので、週明けからは、これまで上値を抑えられていた中国関連株が戻りを試す動きなどを中心に相場全般もどこまで「掉尾の一振」が盛り上がるかチャレンジすることになる。平成相場が、「終わり良ければすべて良し」となれば万々歳である。

 だいたいこの平成相場の30年間は、塗炭の苦しみを舐めた投資家が少なくないはずである。バブル相場が大天井をつけたのが、平成元年(1989年)の12月で、以来、平成2年(1990年)からバブル相場ははじけ続け、経営破綻やリストラ、業界再編が相次ぐ「失われた10年」、「失われた20年」を経て生活防衛意識、節約志向が骨の髄まで染み込み、ようやく2012年末からの「アベノミクス」で大底を脱出したものの、デフレ・マインドの払拭にまでは至っていない。

 この平成を明治、大正、昭和と改元された時系列でロングスパンで顧みると、明治が戦争の時代、大正が平和、昭和は前半が戦争で、後半が東西冷戦下の平和と色分けできそうだ。とすると、来年5月に改元される新元号下の時代はどうなるのか?G20の首脳宣言でも、「保護主義と闘う」との文言は盛り込めず、国際協調主義から大国同士が自らのエゴを押しつけ合うパワーゲームへの逆戻りを懸念させた。衣の下に見え隠れする「自国第一主義」を隠そうともしなかったとも受け取れた。仮にトランプ大統領が、2020年の大統領選再選に向け「アメリカ・ファースト」押し通し米中の覇権争いが激化し、日本と北朝鮮、韓国、ロシアの隣国との2国間関係も緊張するようなら、南シナ海と日本海の波高しで大分、きな臭くなりそうだ。

 この仮説シナリオが当たらずとも遠からずとなるとすれば、富山の薬売りの配置販売の常備薬に習って常備株として保有しておきたいのが地政学リスク関連株である。「掉尾の一振」の盛況のカゲで「備えあれば憂いなし」である。新元号改元下、覇権争いのたびごとにつどつど出番が回ってくることが想定される。

■防衛関連四羽烏に加え銃器株、火砲株、ヘリコプター搭載護衛艦関連株も浮上

 地政学リスク関連株でまず出番が回ってくるのは、定番四羽烏だろう。機雷の石川製作所<6208>(東1)、照明弾・発煙筒の細谷火工<4274>(JQS)、防毒マスクの興研<7963>(JQS)、重松製作所<7980>(JQS)である。次いで小銃の豊和工業<6203>(東1)、銃弾の旭精機工業<6111>(名2)、火砲の日本製鋼所<5631>(東1)、火薬の日本化薬<4272>(東1)、カーリットホールディングス<4275>(東1)、日油<4403>(東1)、レーダー警戒装置の東京計器<7721>(東1)、バッジシステムの日本アビオニクス<6946>(東2)なども人気化しそうだ。ヘリコプター搭載型護衛艦を建造した統合会社のジャパン マリン ユナイテッドの大株主となっているJFEホールディングス<5411>(東1)、IHI<7013>(東1)、日立造船<7004>(東1)も外せない。

■サイバー空間の制空権争いでサイバーセキュリティ関連株の活躍場面も増加

 このリアルの防衛関連株とともに、バーチャルなサイバー空間での制空権争いに絡むサイバーセキュリティ関連株も、地政学リスク関連株として浮上する。サイバー攻撃は、コンピューターへの不正侵入やデータの改ざん、コンピューターウイルスの感染にとどまらず情報システムやネットワーク、発電所や空港などの社会インフラまで混乱に陥れ、経済・社会生活に打撃を与えることになる。今年11月30日付けの一部報道では、政府が来月に策定する新たな「防衛計画の大綱」には、自衛隊によるサイバー反撃能力に加え、敵部隊への妨害能力の強化も明記されるとしており、相当きな臭くなってきた。

 デジタルアーツ<2326>(東1)、バルクホールディングス<2467>(名セ)、パシフィックネット<3021>(東2)、ソリントンシステム<3040>(東1)、セキュアヴェイル<3042>(JQG)、テリロジー<3356>(JQS)、FFRI<3692>(東マ)、セグエグループ<3968>(JQS)、アズジェント<4288>(JQS)、トレンドマイクロ<4704>(東1)などの活躍場面が増えそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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