イオン、冬ギフトの11月配送を提案 宅配業者の人手不足を考慮

2018年11月14日 16:57

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イオン冬ギフトのポスター(イオン発表資料より)

イオン冬ギフトのポスター(イオン発表資料より)[写真拡大]

 イオンは13日、日本郵便などが提供している冬ギフトの配送を11月下旬に前倒しすることを勧める取り組みを始めることを明らかにした。インターネット通販の普及などから深刻化する宅配業者の人手不足を考慮した措置で、11月下旬配送限定のギフト商品を用意するほか、抽選によるギフトプレゼントを予定している。

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 11月下旬配送の冬ギフト限定商品は、佐賀県産のあんみつ姫ミカン、福島県産のみしらず柿、北海道産の刺身用ホタテ貝柱など農産物、水産物の合計9品。21日から30日に配送される。

 さらに、20日までに冬ギフトを申し込んだ依頼主と、11月下旬に冬ギフトを受け取った届け先を対象に、4,000円相当の選べるカタログギフトを抽選で依頼主、届け先5,000本ずつの計1万本をプレゼントする。当選者は12月下旬に発表する。

 年末のギフトシーズンを控えた対応は今回が初めて。今後は年末だけでなく、2019年夏の中元シーズンなど他の宅配繁忙期にも同様のキャンペーンを実施し、宅配業者の繁忙緩和を図る。

 人口減少と高齢化社会の進行が続く中、インターネット通販の急速な普及で、宅配業者の人手不足が深刻化している。大手企業では、集配のドライバーだけでなく、仕分けを担当するアルバイトスタッフが足りず、労働組合が宅配の荷受け抑制を訴えるなど社会問題化してきた。

 特に年末や夏の繁忙期には、非常な多忙が続き、朝から晩まで休みなく働かざるを得ないブラック労働の実態に批判の声が出ている。イオンのギフトを主に扱う日本郵便でも状況は変わらず、取扱量の緩和を求める声が社内で上がっている。

 ギフトサービスやインターネット通販は商品を宅配する業者がなければ成り立たない。イオンの今回の措置は宅配業者の苦境に配慮したもので、こうした取り組みが他の宅配業者や小売業者、電子商などへ波及し、繁忙緩和の動きが社会に浸透することを目指している。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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