藻類のデンプン合成を操作、プラスチックや燃料添加剤に期待 東工大などの研究

2018年11月10日 18:23

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単細胞紅藻シゾンの細胞と実験室における培養の様子。(画像:東京工業大学発表資料より)

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 藻類はデンプンを高蓄積する性質を持つ。しかし、油脂を蓄積する性質がバイオ燃料生産のために研究されているのに比べて、デンプン合成の仕組みはよく分かっていなかった。このデンプン合成が自在にコントロールできれば、環境に優しい燃料添加剤(エンジンに用いる薬剤)、医薬品、化粧品、プラスチックなどの開発に道が拓かれる可能性がある。

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 東京工業大学科学技術創成研究院 化学生命科学研究所のイムラン・パンチャ日本学術振興会 外国人特別研究員(研究当時)、田中寛教授、今村壮輔准教授、東北大学 大学院生命科学研究科の東谷なほ子博士、東谷篤志教授と、同大 大学院医学系研究科の島弘季助教、五十嵐和彦教授らの共同研究グループは、この藻類のデンプン合成の操作法を発見した。

 研究グループが着目したのは、藻類が油脂を蓄積する条件でやはりデンプンも同様に蓄積する現象である。藻類オイルの合成ではTORキナーゼというタンパク質リン酸化酵素が重要な役割を果たすのだが、これがデンプン合成にも機能しているのではないかと予測された。

 解析の結果、デンプンの合成に関わると考えられるGLG1タンパク質が発見された。そして、リン酸化を受けるGLG1のアミノ酸を特定、このアミノ酸のリン酸化の状態によって細胞内のデンプン量が調節されていることが明らかにされたのである。

 また、このGLG1とTORタンパク質は藻類に広くみられるものであり、今回明らかになった仕組みは今回研究に使われた藻類以外にも広く藻類一般に共有されているものと考えられる。よって、今回発見されたGLG1についてさらなる研究を行うことで、デンプン生産能力を高めた藻類を育種することが期待できるという。

 なお、研究の詳細は、英国の科学雑誌「ザ・プラント・ジャーナル(The Plant Journal)」オンライン版に掲載された。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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