9月の小売販売額、前年比2.1%増で11カ月連続増 卸売販売額は19カ月連続増

2018年10月29日 20:58

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 経済産業省が9月の商業動態統計速報を発表し、小売業界ではスーパー、コンビニ、家電量販店、ドラッグストア、ホームセンターで前年比プラスとなった一方、唯一百貨店のみが不振だったことが分かった。

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■幅縮小も前年比プラス継続

 29日、経済産業省は9月の商業動態統計速報を発表した。商業販売額は38兆3,380億円で、前年同月比1.0%増となり、7月(前年同月比:4.3%増)や8月(同4.2%増)と比較して、増加幅こそ縮小したものの、19カ月連続で前年比プラスが続いている。このうち、卸売業は26兆8,100億円で同0.5%増と19カ月連続のプラス、小売業は11兆5,280億円で同2.1%増と11カ月連続のプラスとなっている。

■鉱物・金属材料卸売と燃料小売業が好調

 卸売業で好調だったのは、鉱物・金属材料卸売業(前年同月比:6.0%増、以下同じ)、農畜産物・水産物卸売業(4.2%増)、食料・飲料卸売業(3.1%増)、その他卸売業(7.2%増)など。不調だったのは、衣服・身の回り品卸売業(17.3%減)、医薬品・化粧品卸売業(8.0%減)、繊維品卸売業(4.2%減)、家具・建具・じゅう器卸売業(3.3%減)、各種商品卸売業(5.7%減)など。

 小売業で好調だったのは、燃料小売業(13.0%増)、機械器具小売業(4.9%増)、飲食料品小売業(2.1%増)、その他小売業(2.1%増)など。前年同月比でマイナスだったのは、百貨店などの各種商品小売業(1.3%減)、無店舗小売業(1.2%減)、自動車小売業(0.2%減)の3業種。

■スーパーは衣料品不振も飲食料品でプラスに

 百貨店の販売額は4,600億円(前年同月比:3.8%減、以下同じ)。スーパーは1兆536億円(3.5%増)、業界合計では1兆5,136億円(1.1%増)となった。

 百貨店は主力商品の衣料品が大きく不振(16.1%減)だった他、家庭用電気機械器具(35.5%減)、家庭用品(9.9%減)なども不調だったことで、6月(2.6%増)を最後に、7月(6.5%減)、8月(0.8%減)、そして9月と3カ月連続でマイナスとなった。スーパーでも衣料品全般で不調(4.3%減)だったものの、主力の飲食料品が好調(4.9%増)だったため、全体でプラスとなっている。

■家電量販店の通信家電が大幅増加

 コンビニエンスストアの販売額は1兆222億円(前年同月比:4.5%増、以下同じ)で、ファーストフード及び日配食品が微減(0.1%減)、サービスが不調(7.2%減)だったが、駆け込み需要と思われるたばこなどを含めた非食品が好調(16.7%増)だった。

 家電大型専門販売店の販売額は3,392億円(7.4%増)で、AV家電(9.2%増)、通信家電(23.0%増)、生活家電(9.0%増)などが好調な一方、カメラ類(10.3%減)などが不振だった。

 ドラッグストアの販売額は5,176億円(4.6%増)で、食品(9.0%増)、健康食品(6.7%増)、家庭用品・日用消耗品・ペット用品(5.1%増)、トイレタリー(4.0%)などが好調だった。前年同月比でマイナスだったのは、調剤医薬品(1.6%減)とヘルスケア用品・介護・ベビー(1.2%減)の2種類のみ。

 ホームセンターの販売額は2,593億円(3.4%増)で、電気(22.9%増)、DIY用具・素材(9.2%増)、カー用品・アウトドア(4.0%)などが好調。園芸・エクステリア(5.1%減)、オフィス・カルチャー(3.1%減)の2種類のみ前年同月比でマイナスだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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