花の性別によって共生する微生物が異なる 京大の研究

2018年9月20日 11:30

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(上)研究の概念図(下)酵母の導入実験(イラスト:辻かおる、深見理、神崎裕一郎)。(画像:京都大学発表資料より)

(上)研究の概念図(下)酵母の導入実験(イラスト:辻かおる、深見理、神崎裕一郎)。(画像:京都大学発表資料より)[写真拡大]

 京都大学の研究グループが、植物の雄花と雌花で花に棲む微生物群集が異なることを解明した。

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 植物にも性別がある。種にもよるが、例えば有名なものだとイチョウには雄の木と雌の木があり、両方が揃った環境でないとギンナンが生らない。

 今回の研究に使われたのはヒサカキとハマヒサカキという植物である。そんなに珍しい植物ではないのだが、雄花と雌花があるという特徴がある。そのほかに両性の花もあり、どういう性分化を行っているのか詳しいことは明らかにされていないのだが、それはともあれ今回の研究の話に移ろう。

 今回問題になるのは、ヒサカキとハマヒサカキの細菌叢である。そもそも動物も植物も、高等な種においては単一の生物がまったく単一の生命として生きているということはあまりなく、共生細菌や、その他もろもろの共生生物と共生関係を形成して生きている。さて、もちろんヒトもそうなのだが、ヒトにおいても、雌雄における共生細菌には微妙に違いがあることが既に解明されている。

 ヒサカキとハマヒサカキについていえば、以下の四つのことが研究により解明された。まず、雄花の方が糖濃度が低く、微生物が多い、ふたつめに、雄花と雌花では多くみられる微生物の種が異なる。みっつめに、昆虫が蜜を得るためにやってきた場合の微生物群集の変化は、雄花においての方が大きい。よっつめ、密に微生物が持ち込まれる順番が異なることによる微生物群集の構造変化は、雌花でしか生じない。

 このような微生物群集の差は、蜜の成分を変化させるものと考えられる。ということは、蜜を求めてやってくる昆虫の役割に何らかの影響を与えていることが予測されるという。

 なお、今回の研究の詳細は、アメリカの国際学術誌「Ecology」にオンライン掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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