写真のEC化を実現したフォトクリエイトの足跡

2018年9月18日 08:58

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 いまその名は、株式市場から消えている。フォトクリエイト。カルチュア・コンビニエンス・クラブ及び同グループのTOBを受け入れ、2016年10月末に株式市場からは退場した。

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 が、同社が写真関連のEC事業で先行し、一世を風靡したことは事実。私は15年春に同社を取材し創業者の白砂晃氏(現フォトクリエイト取締役会長)の慧眼に感嘆した。サイバーエージェントに勤務していた白砂氏は「パソコンを駆使した起業」が常に頭にあった。そんな中「これだ!」と膝を叩いたのは、高校の同級生の米国帰りのこんな土産話だった。「向うではプロカメラマンが会場で撮った写真を販売するビジネスが流行っている」。「遠からずブロードバンドが普及する時代になる」が持論だった白砂氏は、「ネットのコンテンツが文字から写真などマルチメディアに移行していく」と確信し「膝を叩いた」のだった。会社設立は02年。具体的に、こんなビジネスから始めた。

 協賛したマラソン等のイベント会場に集まった参加者に「アクセスナンバー入りチラシ」を全員に配った。多数のプロのカメラマンが参加者全員の(走っている)写真を、一人も逃さずに撮る。終了後に参加者が「自分の走っている写真を記念に欲しい」を思えば、同社のネットサイトにアクセスナンバーでアプローチ。自らの雄姿!?を目の当たりにし「これだ」という写真を注文する。写真代は一定率がカメラマンに、残りが同社の収入になる。

 そうしてスタートしたフォトクリエイトが存在感を高めたのは、07年春の「東京マラソン」とされる。これを機に日本体育協会や日本サッカー協会等との協賛が実現。商圏を広げていった。サイト数も「オールスポーツコミュニティ」(スポーツ関連)「ヨイショット!」(祭り関連)など11サイトに広がった。私が取材した直後に開示された15年6月期第3四半期の決算短信には「9カ月の累計で前年同期比118件増の1万646件のイベントに、44人増の1486人のカメラマンが・・・」と記されているし、至17年6月期の中計には「写真ナンバーワン。売上高47億1600万円(前期比5割増)を学校関連の写真領域を大幅に拡充し実現する」と記されていた。

 TOBを受け入れた背景は、とどのつまりは「商圏拡大」⇒「競争激化」⇒「収益力ダウン」。

 だが写真を媒介にしたECを立ち上げたという実績は、永遠に残る。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワードカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)東京マラソンフォトクリエイト

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