携帯料金の値下げに国が動く 総務省が競争促進策へ向けた研究会を発足

2018年9月14日 19:24

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 総務省が携帯通信会社の競争促進策を議論する研究会の立ち上げを発表した。研究内容については2019年末に情報審議会への答申に盛り込む予定。先月には菅義偉官房長官が「携帯料金は4割下げられる余地がある」と発言し反響を呼んだが、それを実現する姿勢を打ち出した。

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 携帯料金値下げへ向けて、国が大きく舵を切った。携帯料金の値下げについては2015年にも安倍晋三首相が大手キャリアへ要請しているが、その料金水準は依然として高いままだ。情報審議会へ答申をまとめることで、法整備などのより効果的な行政アプローチが期待できる。

 携帯電話業界では、格安スマホの他に楽天が第4の携帯キャリアとしてこの10月からの事業参入を発表している。とはいえまだ携帯業界の3社独占状態は続く見込みであり、競争が発生しにくい状態だ。人口減少に伴い利用者の増加が見込まれないため、大手3社が値下げをする動機が生まれにくい。今回の研究会立ち上げはそうした動機を行政の視点で喚起する狙いがある。

 大手キャリアの携帯料金への不満は根強い。携帯業界の独占は続いているものの、スマホのユーザー全体に占める割合は年々減っている。格安スマホを使うユーザーの割合が時とともに増えており、2018年3月の発表では10%を超えた。格安スマホの攻勢はまだ続くものと考えられ、大手キャリアのユーザーが徐々に奪われている。

 しかし一方では格安スマホへの乗り換えをためらう声も少なくない。まず実店舗の少なさが課題だ。大手キャリアは各地に店舗を持ち、ユーザーも何かあれば相談に行きやすい。特にスマホについては年配のユーザーにはまだ敷居が高く、スタッフと対面できる店舗での利用のほうが安心できる。

 一方、格安スマホの実店舗は少ない。店頭で販売されているものは家電量販店などが代理で販売しているものであり、サービスについて直接担当しているスタッフはいない。オンライン販売も対応しているが、初期設定など全て自分でやらなくてはいけないため、時間と手間がかかる。格安スマホの業者も店舗を持ってしまっては運営コストがかかってしまい、それを価格に転嫁するのは避けたいだろう。

 また時間帯によっては通信が遅くなることがある。平日の昼休みの時間はスマホを使用する人が多いが、格安スマホは大手キャリアより使える回線容量が少ないため、通信が混みやすい。動画を見る場合などは大量に通信容量を使うため、再生が遅くなることもある。ユーザーにとってはストレスだ。

 また総務省としては、大手キャリアの客離れは大容量通信の阻害となるため、料金改定を実現したい狙いもある。日々使用される通信量は増加の一途をたどっており、2020年代の通信量は2010年代の1,000倍以上となる見込みだ。高解像度の動画も配信されるようになるため、大手キャリアが持つ大容量の回線が必要になる。自身の管轄する通信分野で障害があっては困るため、総務省は料金値下げについて積極的に大手キャリアを指導せざるを得ない。

 依然として大手キャリアは90%近くのシェアを誇っているが、携帯料金に対して不満があるユーザーが多いのは確かだ。今回の総務省による研究会の立ち上げは、そうしたユーザーの不満を解消するきっかけになると考えられるだろう。

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