欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩み、週後半のイベントを見極め

2018年9月11日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩み、週後半のイベントを見極め
11日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。欧州通貨の買い戻しは一巡し、安全通貨としてのドルや円への下押し圧力は弱まる見通し。ただ、週後半に予定される欧州中央銀行(ECB)理事会など重要イベントを前に、積極的な売り買いは手控えられそうだ。

英国の欧州連合(EU)離脱問題で、EUのバルニエ首席交渉官は前日、11月初旬までに双方の合意に基づく解決は可能との見方を改めて示した。それを受け、金融市場におけるネガティブな材料の1つが解消されるとの思惑から、安全通貨のドルと円が売られる展開となった。ただ、英国とEUは合意後にそれぞれ議会の承認を必要とするが、英国の場合は政局リスクにつながる可能性もある。一方、12-13日開催の英中銀金融政策委員会(MPC)、13日のECB理事会ではいずれも政策金利は据え置きの公算で、前日辺りまでにユーロやポンドの買いは一巡しそうだ。

本日のアジア市場では、貿易摩擦への過度な警戒は和らぎ、円が売られやすい地合いとなっている。ドル・円は7日や10日に高値となっていた111円25銭を上抜けたことでストップロスを巻き込み、111円40銭台に強含む展開となった。今晩は手がかり材料が乏しいなか、23時発表の米国の7月JOLT求人件数が注目される。7日に発表された8月雇用統計の堅調な内容に続いて、労働市場の改善傾向が裏づけられるとみられ、トランプ政権による減税第2弾への期待も加わり、ドル買い基調に振れる見通し。ただ、今週発表される米国のインフレ指標を見極めようと、ドル買いは限定的になる可能性もある。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・5-7月ILO失業率(予想:4.0%、4-6月:4.0%)
・18:00 独・9月ZEW景気期待指数(予想:-13.0、8月:-13.7)
・23:00 米・7月JOLT求人件数(予想:667.5万件、6月:666.2万件)
・23:00 米・7月卸売在庫改定値(前月比予想:+0.7%、速報値:+0.7%)
・02:00 米財務省3年債入札(350億ドル)《FA》

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