海外からも絶賛の「カメラを止めるな!」 噴出した疑惑は映画界の永遠のテーマか

2018年8月23日 22:26

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■邦画界を明るく照らす可能性大の「カメラを止めるな!」

 たった2館でしか上映されていなかった邦画「カメラを止めるな!」が異例のヒットを見せている。低予算ながらその高いクオリティに、SNSを中心に瞬く間に人気が広まった。今では上映映画館が全国に広がりを見せ、さらにはロサンゼルスで開かれた「ロサンゼルス日本映画祭2018」にて最優秀賞作品にも輝いた。

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 昨今の邦画は原作頼りでどこか勢いに乗り切れていないところがあり、今回のヒットは、オリジナルということも考えればこれほどうれしいことはない。だが、本作のオリジナル性において異議を唱える声が出てきており、一部で大きな問題となりつつある。

■大ヒットを記録している「カメラを止めるな!」とは

 「カメラを止めるな!」は上田慎一郎監督による長編映画作品。当初は2017年11月にENBUゼミナールによる「シネマプロジェクト」の一環として上映されたものだが、好評を博したために18年6月から単独での公開が決定。当初は東京都内の2館上映だったが、口コミで評判が広まり、8月からアスミック・エースの共同配給により全国公開となった。

 簡単なストーリーとしては、山奥の廃墟でゾンビ映画の撮影をしている自主映画班たちのある撮影風景を描いている。本当ならばフィクションでしかない映画だったが、そこに本物のゾンビが襲来。ディレクターは大喜びでカメラを回し続けるのだが、その被害はどんどん広がっていく。

 本作のキャッチフレーズは「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」というもので、この撮影がただの自主映画でないことが想像される。その内容をばらしてしまうのがもったいないぐらいなので、ぜひ劇場で確認してもらいたいところだ。

■「カメラを止めるな!」は果たして「パクリ」なのか

 「カメラを止めるな!」はロサンゼルスの映画祭でも受け入れられ、「これほど映画作りに対する愛を感じる作品は無い」や「映画の都ハリウッドで働いている人間に観てもらいたいと思わせる作品だ」と絶賛されている。日本での人気もますます広がりそうな勢いだ。

 しかし、本作の原作をめぐって現在問題が起こっている。「カメラを止めるな!」は上田監督がパンフレット等で明言しているように、ある劇団の舞台からインスパイアを受けて生み出されたものだ。しかし、その舞台で演出を手掛けた和田亮一氏が、週刊誌「FLASH」にて「原案ではなく原作にしてほしい」と訴えているようだ。

 ことの発端は、和田氏によると、本作品が上映されるに当たって舞台が元となっているにも関わらず、何の声掛けもなかったことが問題の始まりだという。しかし、後に公開拡大に当たり、上田監督は「原案としてなら乗せられる」と妥協案を提示しており、問題は収束に向かうかと思われた。

 一度はそれで和田氏も受け入れたのか、映画にも原案として劇団名と舞台名がクレジットに記載されることになった。和田氏自身も最初に観たときには映画を絶賛しており、舞台とは別の形で表現しているとの意を表している。それにも関わらず、ここにきて和田氏は「原案ではなく原作にしてほしいと」と主張しているようだ。

 雑誌などでは「パクリ」などと書いてあるようだが、決して和田氏は「パクリ」ではなく、本映画を作るに当たって舞台を「原作」にしていることを明言してほしいようだ。

 ただ、個人的には、ここにきて問題を起こす意図がよくわからない。たしかに映画はさまざまな要素を組み合わせることで成立する。それは映画だけでなく、さまざまな芸術は何かからインスパイアを受けずに成立することはない。そして、舞台と映画ではまったく表現方法も違うため、本案件を簡単にパクリと扱うのは早計過ぎるだろう。

 一方で、「原案」と「原作」というのは微妙なニュアンスの違いのようにも感じられるかもしれないが、実際には使用料が発生するかしないかなど、その違いは大きいという。この辺りは、両者の間で意思の疎通がうまくいかなかったこともこじれてしまった要因かもしれない。

 個人的にはどちらに非があるのかということではなく、ただただ、本件にて日本映画という世界の狭さを見せつけられたことが、本当に残念で仕方ない。この機会をきっかけに膿を徐々に出していき、今後より映画界が活性化につながることを願うばかりである。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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